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2018/04/19『天邪鬼』『コーヒー』『強欲』
昨日書きましたが諸事情により投稿できませんでした。
「ねえ、コーヒー飲みたい」
「なら作ればいいじゃん」
何気ない会話。
「めんどくさい」
「なにそれ。私コーヒー飲むけど淹れようか?」
「……やっぱりいいや。いらない」
やっぱり彼は天邪鬼。
飲みたいなら素直に「お願い」と言えばいいのに。
私は彼の分までコーヒーを淹れる。
と言ってもインスタントだけど。
「はい」
「いらないって言ったじゃん」
「ほんとは欲しいんでしょ」
「そんなことっ……言ってない」
「でも分かるよ」
「……」
彼は観念して、コーヒーを飲む。
「……薄い」
「うそ、そんなに?」
そして、自分のミスに気付く。
「ごめん、コーヒー間違えた。それ、私の。これが翔の」
「なんだ。はい」
コップを交換する。
「……うん、美味しい」
「ほんと?嬉しい」
彼に認めてもらうことを、私は求めているのだと、前から気付いていた。
ある意味、私は強欲なのかもしれない。




