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2020/05/01『少女』『甘い』『暮らし』
彼女の引きこもり生活が始まってから、何日経ったのだろう。
分からないけれど、少女は、毎日様々なことをして過ごしていた。
例えば、読書。ネット書店で本を購入しては配達してもらったり、青空文庫で文豪の小説を楽しんだり、小説投稿サイトで物語を読み漁ったりしている。
例えば、執筆。小説投稿サイトに連載小説を書いては投稿し、読者の方と交流することを楽しんでいる。
例えば、楽器の演奏。エレクトーンが家にある。これならイヤホンをつけて使用できるから、騒音など気にせず演奏できる。有名な映画の主題歌や童謡などを弾いて楽しんだ。
例えば、お菓子作り。ついこの間はクッキーを焼いていたのだが、その間に友人に出した荷物が届いたのかを確認していたら、焦がしてしまい、大失敗に終わった。
この暮らしは、いつまで続くのだろう。
分からない。けれど、ある意味強制された引きこもり生活を、彼女は楽しんでいた。
少女はにこりと微笑み、呟く。
「さて……今日は何をしようかな」




