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2020/04/22『空白』『甘い』『人肌』

 ――そろそろ、もう、飽きてきたなぁ。


 心にぽっかりと、穴が空いたような気分になりながら、そんなことを考えた。


 ……早く学校、行きたいなぁ。


 それが叶わない事は知っている。九月まで、学校はお預けだ。新学期の授業開始は異例の五月だし、始まったとしてもオンライン授業だから、先生や友人に直接会う事はできない。

 ひたすら、家に引きこもる。それが、今の私たちに求められている事。


 ――なんだろう、この心の空白は。


 どうすれば埋められるのか。ふと思いついて、大好物の甘いロイヤルミルクティを淹れて飲んでみた。

 けれど、全く満たされない。


 ……そうか、誰にも会わないからか。


 ふと、そう気付いた。

 今わたしが一番欲しているものは、わたしの心に一番欠けているものは、人のぬくもり。人肌が恋しかったのかもしれないし、言葉のやり取りで感じる暖かさを求めていたのかもしれない。

 例えば、消しゴムを貸し借りするときに触れ合う手とか。背後から友人を驚かすときに触れる肩とか。

 例えば、授業後に先生と話してみることとか。友人と空き時間に笑って、たわいもない話をしてみたり。

 メッセージアプリだとか、メールだとか、電話だとかじゃ、意味がない。直接会って、話したいのだ。


 ――まだまだ、我慢。


 みんなで、笑顔で、また会う日まで、この空白を抱えながら日々を過ごす。

 白い布で口を隠す必要がなくなった日のことを、想像しながら。

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