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2020/03/10『メモ』『黒』『冷たい』

 ――退屈な雨上がりの午後。


 私は、駅で待ち合わせをしていた。

 まだかな、まだかな。

 あまりに暇で、てくてくと駅前を行ったり来たりしていたら、水たまりを踏んでしまう。

「冷たっ!」

 思わず叫んでしまい、周りの人に冷たい目で見られてしまった……。


 濡れて黒くなった靴を眺めながら、その人を待っていた。仲良しの、文通相手を。

 その人の名前は、きのいろは。

 彼女には、まだ会ったことがなかった。つまり、今日初めて対面するのだ。

 いろはちゃん、まだかなぁ。


 ……結局、一時間経っても、二時間経っても、彼女は来なかった。

 仕方がないので、駅前の黒板にメモを残しておくことにする。

『きのいろはさんへ

 二時間待っても来なかったので、帰ります。ごめんなさい。

 日野みどりより』


 数日後、彼女から手紙が届いた。

『この間は行けなくてごめん! 風邪ひいちゃって、どうしても出かけられなかったんだ……。

 また一緒に会う予定立てよ!』

 彼女が約束を忘れていたわけではないと分かって、少しだけほっとした。

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