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2020/02/24『雪』『強固』『科学』

 海沿いの街のどこかに、北国の綺麗な雪を使って珈琲を淹れる喫茶店があるという。

 その店の名は「御伽(おとぎ)」。優しい青年が淹れるその珈琲を飲めた者は幸せになれると、そんな噂が流れていた。


 さて。

「御伽」の店内、カウンター席の一番奥には、毎日必ず同じ女性が座っているという。

 長いストレートの髪をポニーテールにして、白衣を着たその人は、そこで必ず「雪の珈琲」を飲み、青年と語らい、そして去っていくのだ。


 その女性と青年は、実は幼馴染みだと言われている。

 何年も前、青年が「北国の雪で珈琲を淹れたい」と言ったところ、女性が「なら私が科学者になって、北国から雪を運ぶ技術を作るよ。決して雪を汚すことなく、綺麗なまま、そのまま口に入れても大丈夫なように」と約束したらしい。

 そして、彼女はその約束を守り、この店に毎日、雪を運んでくるようになったという。


 喫茶店「御伽」は、青年と女性の強固な繋がりがなければ、この世に存在しなかったのかもしれない。

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