暖かな日々
バカのバカによるバカのための日常です
朝から
「ゆうちゃ~んあそぼ~」
「いや、今日学校だし無理」
「サボっちゃおうよ~勉強なんかしなくてもお姉ちゃんが養ってあげるよ~」
最近ユリナが年上だってことをたまに忘れそうになる。どっちかというと手のかかる妹と言った感じなんだが
「家から出ないのにどうやって俺を養うつもりなんだ?」
「今の世の中~家から出なくてもお金くらい稼げるんだよ~知らないの~おっくれってる~。それにこの家の生活費は大半が私が稼いでるんだよ?」
「なんと!ニートじゃなかったのか」
「ゆうちゃんのためにちゃんと株~とか投資~とかやってるんだよ?億トレーダーだよ?」
億トレーダーってこいつ金持ちだったのか・・・・・・・・・・・・・・・・日本の社畜にケンカ売ってんだろ子の引きこもり
だがそれはそれ
「ユリナおねぇちゃ~ん俺、お小遣い欲しいな~もしお小遣いくれたらユリナに喜びのあまりキスしちゃうかもしれないな~」
「いくら欲しいの!?一億円!?十億円!?今だったらいくらでもあげちゃうよ!?」
こいつ高い壺とか買わされそうだな
因みにユリナは1億円が部屋の金庫の中に金塊とともに入っていてユウキに押し付けようとしてたので1万円だけもらってキスしてあげた
恐ろしい金持ちだ
今日も3人で学校に来た
そこで
衝撃の事実発覚
「明日からゴールデンウィークで休みになるが、気を引き締めて過ごせ。問題起こすなよ」
ということらしい。担任教師が軽く注意事項のようなことを言っているが教室内はざわざわと色めき立ち、もう生徒たちの耳には入っていないようだ
皆これから始まる休みに何するかで頭がいっぱいなのだろう
ユウキもそれに漏れず少なからずその顔は喜びに満ちていた
もうしばらく学校に行かなくていい、休みだというだけで理由もなく気分が高揚するのはなぜなのだろうか
「ユウキ。明日エロゲー買いに行こうぜ」
隣の席から晃が小声で誘ってくる
何言ってんだこのアホは、せっかくの休みの日に何で男とエロゲーなんぞを買いに行かなきゃならんのだ?
「もちろん行くぜ」
だが断る理由がない
俺たちを画面の中から嫁たちが待ってるんだ(遠い目)
今日はちょっとだけ騒がしい朝の会を終え、退屈な授業が始まる
ユウキは既に寝ている
授業を受けなくても優秀な家庭教師に後で教えてもらえるので寝ていてもまったく問題ない はずだ
昼休み
いつも思うが快眠しすぎだろ
授業が終わっているのだが晃が教科書や筆記用具を片付けない
「どうした晃?」
近づいてみるとうっつらうっつらと舟をこいで今にも寝そうなんだが、というか半分寝てる
机の上にはミミズがのたくったような字で、授業のメモと思われるものが書かれたノートとシャープペンが散らばっている
授業は終わってるんだが
どうやって起こそうか
いや
こいつはほっといてアキのところに行こう
リサの弁当が俺を待ってるぜー
ユウキが去った後の教室
「ユウキ君は今日は一人でお昼を食べに行くのか。うん?こんなところに愉快な顔をして眠りかけている晃君がいるじゃないか」
と芝居がかったしゃべり方をする梨花はどこからかフエルトペンを取り出し、ポンという音を立てながらキャップを外す
「これはもうボクがイタズラするしかないね!」
梨花はゆっくりと晃の顔にペンを近づけていく
その顔には邪悪な笑みが張り付いていた
(何を書こうか・・・・・・・・おっそうだ!あれにしよう晃君が珍しく大慌てになるところが見れそうだ。くふふふ)
ユウキが研究所に着いた頃に教室の方から何やら変な叫び声が聞こえたが
あれは誰のものなんだろうか
「まあいいか」
気にせずユウキはキキたちの待つ研究所の中に入っていった
「待たせたな愛しの嫁たち」
「え・・・・・お嫁、さん?」
ユウキは調子に乗っていた。認めよう。担任からゴールデンウィークに入るということを聞いて、よっしゃこれで一日中キキと戯れられるぜ!とはしゃいでいた
そして後悔した
こういう冗談はアキあたりに言えばきっと
「先輩の嫁?ふっ先輩にはそのチャイムとドアノッカーのマダラカマドウマとチャバネゴキブリがお似合いですね」
とか言って罵りつつも突っ込んでくれるだろう
だから、嫁とかいうのは、冗談が通じない人間に入ってはいけないことも理解している
なぜこんなことを言っているかというと
中にいたのはアキでもリサでも、ましてやキキでもなかった
ユリコだったのだ
彼女は顔を真っ赤に染めて「お嫁さん・・・・・・お嫁さんかぁ」とにやけている
ここでもしユウキが「冗談だぞ」とか言おうものならものすごいショックを受けて塞ぎ込んでしまうだろう。ユリコはちょっと打たれ弱いから
「あ、兄さん。遅いよ」
「というか何故ユリコがいるんだ?」
ユリコの後ろからリサやアキ、キキが出てくる。奥にいたみたいだ
「先輩と一緒に昼食が食べたいそうなので中に入れてしまいましたが、迷惑でしたか?」
「いや、まあいいんだけどさ・・・・・・・・・」
ここアキの研究所だしさ
でも・・・・・・・・
「何ですか?なんか言いたげですね」
「いやね、アキは人とのかかわりを割と避けるようなやつだった気がしたからちょっと意外だっただけ」
「それは・・・・・・・鷹鷺先輩の気持ちもわかりますから」
「俺の弁当ならやらんぞ?」
「何の話?兄さんアホ?」
なんと!珍しくリサが罵倒してきた
「まあいいや、さっさと飯食おうぜ?」
「パパ…晃がね?いないの」
とキキが指摘してくる
ああ、忘れてたアイツ半分寝てたからほっといたんだった
「後から来るんじゃね?」
と適当に言っておいたが、誰も気にしないで各々の飯を食い始める
哀れ晃
ユリコも交じり、若干研究所の女子率がやばい
男1人女4人はちょっとね
一人妹で一人獣耳の幼女だけど
「ユウキさん。よければ、その・・・・・・私のおかず食べてみませんか?私が作ったものなので・・・・・・おいしいかわかりませんけど」
と恥ずかしそうにユリコが言う
ユリコの弁当箱はA4サイズくらいの大きさがあり、それが二段になっている。中は色とりどりのから揚げからハンバーグからウインナーからトマトからいろいろなものが入っていた
どう見ても一人で食う量じゃない
「おう、いただくよ。から揚げ欲しいな俺」
「じゃ、じゃあ、その、あ________」
と言ったら急にアキに口にアキのパンを突っ込まれた
「先輩にはそのパンで十分です。豚みたいにそれでも食べててください!」
「はひはいへんの?」(なに妬いてんの?)
「妬いてないですよ!!」
え?なんで分かるの?口ん中満杯でしゃべってるから普通分からんだろ
通じ合っちゃってんだな俺たち。それでこそソウルメイトだ
「パパ・・・こっちも食べるの。あ~んなの」
相変わらず膝の上に座っているキキも参戦してくる
キキの弁当はリサが作ってるから、俺のと一緒なんだがキキが食べさせてくれるとなぜかおいしく感じる
その後リサも食べさせ合いに参加し、研究所の中に甘すぎる雰囲気型漂う中
きーんこーんかーんこ~ん
予冷が鳴ってしまった
「兄さんが食べさせ合いっこなんかするから全部食べ切る前にお昼休みおわちゃった」
「え?俺のせいなの?リサもやったじゃん」
「キキもやったの。パパは、悪くないの」
「そ、そうです・・・・・・・・元々始めたのは、その・・・・・・・私、ですし」
「それより結局晃先輩は来ませんでしたね」
「何?寂しいの?・・・・・・・・・・・・・・・・・はっまさか」
「違いますから!!それ絶対違いますから!!勘違いしないでください!」
「分かってる。みなまで言うなアキ。今、分かったからな」
「なんか先輩が慈愛に満ちた目でこっちを見てくるんですが・・・・・・・・・・・明らかに勘違いしてますよね、これ」
「兄さん。時間ないから行くよ!午後の授業遅れちゃう」
「お、そうだな」
「またね、パパ」
「おう、また放課後に来るぜ」
ユウキはリサとユリコを連れて急いで教室に戻った
ちょうどそのころ教室内は地獄絵図になっていた
寝起きはめちゃくちゃ機嫌の悪い晃が、顔に『ドM の王』と落書きされていることに気づき、マジ切れした晃がにやにやしてた梨花を教室に亀甲縛りでしばりつけ、m16をフルオートでぶっ放していたからだ
教室内にはBB弾が山のように転がっていて、中央では縛られた梨花が恍惚の表情を浮かべながら失禁し、気絶していた
後にこれを後輩たちが「校内、過激なSMプレイ事件~アサルトライフルの奏でる喘ぎ声~」として語り継がれることになるが、それはまた別のお話
おかげで午後の授業は全部自習だった。その時間中全部使って、晃と梨花が学年の教師全員からこってりとしぼられていることだろう
おかげで事件解決によって教師陣の中で上がっていた晃の株は大暴落したんだとか・・・・・
放課後
二人が教室に帰ってきた
というか最近ちょっとモブ子目立ち過ぎじゃね?
「梨花ちゃん大丈夫だった?」
と心配そうに駆け寄るのはユイ。ほんとにユウキとそれ以外の人への態度が結構違うことにちょっと悩みそうになる。レイプ未遂事件以来ちょっとは態度もマシになったが、無視されなくなっただけだしな・・・・・・・・
「いやはや。教師陣からのきつい言葉攻めと2時間にもわたる正座プレイはなかなか悪くなかったよ。ボクに一日で一体いくつの下着を使わせるつもりなんだか」
「プレイ・・・・・?」
ユイが小首をかしげている。本当にユウキが関わらなければただの天然少女なんだと思い知らされる。ゆるふわなくせっ毛と相まって天然なままだとかなりかわいいんだがね
今日もまたそんな感じで何事もなく(?)平和に一日が終わった
周りにアホしかいない気がするがそれは気にしないでおく
平和な日常に少しだけ感謝したユウキであった
読んでいただきありがとうございます
今回ギャグ多めでした
これを読んでふふっと笑っていただければ幸いです