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世界を平和にしたいなら  作者: 世嘆者
はじまり
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プロローグ

趣味100%で書いています

のんびりと時間のある時に更新していきます

真っ白い景色

ふわふわとして宙に浮いているかのような感覚


目の前には清楚な雰囲気の白いワンピースを着た一人の少女がいる。彼女の髪は銀に近い白で、光に透き通ってきらきらと七色に輝いている


その顔はもやがかかっているかのように見えない

ただそれでも、その少女が微笑を浮かべ,慈愛に満ちた表情をしているであろうことは容易に想像できる柔らかい雰囲気をまとっていた

天国があって、天使がいればきっとこんな感じなんだろうな、と思わせるそんな優しい世界


俺はそんな美しい少女に、あるいは世界に触れようと手を伸ばす。そこではじめて自分の体が縛られているわけでもないのに動かせないことに気づく


少女は少し残念そうな、悲しそうな表情をした気がした。


その後ゆっくりと少女の顔が近づいてきて






そっと優しく唇に触れた














ピピピピピピピッッ______________!!


けたたましいアラームによってゆっくりと意識は覚醒へと向かっていく

(さっきまで、なんかすごくいい夢を見ていたような気がするがよく思い出せないな)


と、妙にすっきりとした頭で考えながらベットの頭のほうの机の上に乗っている目覚まし時計のアラームを止める


「なんにしても今日行けば春休みだ」


と頬をたたいて気合を入れながら隣を見る






やっちまった


同じ布団には、俺にがっしりと手足を絡ませながら幸せそうに微睡んでいる妹の理沙(次からはリサで表記)がいる


リサは綺麗な黒髪のストレートを肩甲骨位まで伸ばしている。背は低く、どこか小動物を思わせる愛らしさがあるのだが・・・・・・・それは置いておくとして


俺、倉井勇気。齢16にしてどうやら、やらかしてしまったらしい

妹に手を出したとか、女の子に襲い掛かったとかそういうことではない


股間部分が湿っている。

ついでに言うとちょっとお世辞にもいい匂いとは言えない匂いが漂っている。俗にいう栗の花のような・・・・・・・・・・

それが黄色い液体の方だったらまだ良かったのかもしれない(いいのか?)、だがユウキの股間を濡らしている液体は白いやつの方だった


男なら分かるかもしれないが、簡単にいえば夢精してしまったようだ

「妙にすっきりした気分だったのはこういうことか・・・・・」


あまりのショックに頭が真っ白になる。真っ白なのは下半身だけで十分なのに



「仕方、ないじゃないか・・・・・・・妹がいつもべったりだからソロ活動する時間がないんだよ・・・・・・・・・」


だから仕方ないんだと無理やりに自分を納得させる


「んにゅぅ~・・・・兄さん、臭い。えへへ~」


いつの間にか隣に寝ていたリサは目を覚ましてしまったらしく、うっすらと目を開けている。臭いなら離れろと思うかもしれないがなぜかリサは寝ぼけ眼のまま、あろうことかそのまま股間に引き寄せられるように顔をうずめようとする


「おい起きろ!もう朝だぞ!」

「んゅ?」


慌ててリサを起こす。

眠そうに眼をこすりながら首を傾げ、女の子座りする姿はわが妹ながらくるものがあるがぐっと我慢  かなしいかな兄妹だからな


やっと目が覚めたのか「はっ私、今日は卒業のあいさつがあるんだった」といってリサは飛び起きてリビングのほうに飛んでいく


俺?俺はもちろん下着とかをとりかえ、いろいろときれいにする。ねばねばとした下着とか目も当てられない寝巻のズボンとか


「時間あるしシャワー浴びるか」


今はまだ6時だ。テンプレよろしく親がいないので妹が朝ごはんを作るようになり、二人して早く起きるようにしているのだ


いそいそとシャワーを浴び右手に包帯を巻き、着替えてからリビングに行くと





そこには、重苦しい雰囲気が漂っていた





幼馴染の唯(次からはユイ)と妹のリサが互いに睨み合っていて、一触即発の雰囲気

朝からギスギスしているのがわかる 原因は俺なのだが。とは言っても俺を取り合って喧嘩しているわけじゃない。そんなのは漫画の世界だけだ


「お・・・おは、よう」

「・・・・おはよ」


意を決してユウキが幼馴染のユイに挨拶すると、いかにも不機嫌ですよといったオーラを出しながら返事を返してくるが、そのまま「ごちそうさま」と言って学校に行ってしまう


他の人に対してはもっとゆるゆるふわふわした天然系だったような気がするのだが・・・・・・


「アイツ嫌い」


と妹のリサが吐き捨てるように言う


「まあそう言うなって、一応お世話になってるのはこっちなんだからさ」


とリサを窘める

俺とリサは両親がいないため幼馴染のユイの家に居候しているのだ。その分家事はリサがやっているのだが・・・・・・・・ユイはこのことをどうも嫌がっているらしい


「ところで、時間いいのか?」

「え?あっ、そうだった学校忘れるとこだった」

「今日で中学校行くの最後なんだからしっかりな」


リサは今年で中学を卒業。来年の四月にユウキと同じ高校への入学が決まっている。かなり優秀らしく推薦で

俺は今年の四月から2年になり、リサとは先輩後輩になるのだが。正直・・・実感がわかない


ちなみに幼馴染も同じ学校だがユウキは嫌われているためほとんど交流はない





妹が先に出かけてっから30分

「俺もそろそろ行かないと終業式に遅刻しちまうな」







ユウキはいつも通りの代わり映えしない通学路をいつも通りのんびりと周りの景色を楽しみながら歩いていた。ここは都会のはずれ、なのに町を歩いて目に入ってくるのはお年寄りばっかりなので、なんとなくのんびりとした空気があり和む。

そのため、ユウキは駅までのこの道を30分かけて歩くのが好きだった。


そろそろ駅も見えそうだな、というところでゴミ捨て場の積み上げられたごみ袋がわさわさと動いているのが見えた



「猫でもいるのか?」


と呟きながら興味津々に近づいていくと

ゴミ袋の山の中から何かが飛び出し、ユウキに突っ込んできた




「うひょぉぉぉおおぉお!!」


ユウキは突然の衝撃に耐えられず奇妙な叫び声をあげながら後ろに倒れこむ

突っ込んできたソレはユウキの首のあたりにへばりつきながら蠢いている。もぞもぞと。背筋がゾクッときた

年末にやってる胡散臭い番組で見た、宇宙人がとびかかってくる映像を思い出した


「まさか地球侵略か!?」



とバカなことを叫びながらもよく見るとそれは


獣耳としっぽをはやした5歳位の幼女だった。しかも裸

そいつの髪もしっぽも犬のような耳も雪のように真っ白だった(どこかで見たような・・・・)際立って目を引くのはそのくりくりした円らな双眸だ。色素の薄い全身の中で両目だけが綺麗な色を放ち、金色に輝いている。





「パパの・・・・匂い」








と幼女は呟いたかと思うと、ユウキの唇に貪りつくようなキスをした






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