ミチルの話
「三人でいることに、少しだけ慣れたな。」
学校帰り、秋は言った。架がいなくなって、僕たちは走って帰ることをしなくなった。下校の時にだれかとしゃべるのはものすごく久しぶりな気がした。
「架がそうしたんだよ。」
僕たちはくだらない話をしなくなった。架の墓を造ったら、またもとのくだらなくて仲のいい三人に戻るんだろうな、と僕も秋も深く望んでいた。僕らにとっては逃げ場みたいなものだった
「なぁ、お前さ…」
秋が頭を掻きながら、僕のほうを見ずにしゃべり始めた。僕の名前は、まだ呼ばない。
「なんで関西弁じゃなくなったの?」
秋がそう質問したときに、なんかどうしても笑いたくなってしまった。
僕が笑えば秋が笑って、つられて架もどこかで笑うんじゃないかと思った。
秋は「昔は結構バリバリだったのに。」って真面目な顔していった。真面目な顔なんて僕はしたくなかったけど、やっぱり笑えそうになかった。
秋の真面目な顔が見たくなくて、僕は目を背けた。
「関西弁、もともと嫌いだったんだよ。」
結局は架がいなくなって僕たちはつまらない顔しかできなくなって、つまらないことしか言えなくなった。
だけど、今日僕は秋と話がしたかった。僕の心の奥底にある全然面白くないこの話を、秋に話したくなるくらい。
「ちょっと喋らない?なんか予定あるかな?」
秋は何も言わずに首を振った。思えば秋と二人だけで話すのはひどく久しぶりで、いまいち喋りのテンポがつかめずにいた。
秋の家に一度寄って、秋が鞄を部屋に置いてきた。僕らはまた無言で歩きだした。
今まで僕が経験してきた沈黙とは質の違う沈黙だった。息が詰まるし、何より胸が痛んだ。
僕も秋もまだ架がいなくなった穴を埋めることが出来ないでいるのは、お互いわかっていた。だけどもお互いその穴を埋める術をまだ知らないでいた。
無言の中、僕は昔の思い出が次々に頭の中に鮮明に蘇ってきて、少し頭が痛んだ。思えばさしていい思い出ではない。そのすべてが頭の中をそれ一色で染めていた。
「おじゃまします」
僕の家に入って、そう言った秋は、靴を脱ぎ、丁寧すぎるほど丁寧に靴を揃え、「久しぶりだ」と笑った。無理に笑ったとわかっていたけど、僕も笑った。
お茶を用意して、僕はそのお茶を飲みながら話始めた。くだらなくて、汚い話だ。
僕の前住んでいた所は大阪の下町だった。無口だった僕は、いまいち関西人のノリについていけないうえに、関西人の話す速さについていけてなかった。
小学二年生に上がる時に周りが田んぼだらけののどかな関東の田舎に越してきたのは、僕がここにいるのが少し苦痛だったのと、母が父の親戚から逃れたかったからだった。
父は生まれは兵庫、育ちは大阪で、母は東京生まれ東京育ちだった。二人とものんびりとした、静かな人だ。
関東に越してきても、お盆には父の実家に行かなくてはいけないけど、母はあまり父の実家にいい思い出がなかった。僕も父もそれをわかっていたから、毎年お盆休みには母を置いて、二人だけで大阪の父の実家に帰っていた。
小学五年生のお盆休み、僕は父の実家に行って、去年と同じように無愛想に挨拶をして、去年と同じように「あんたのお母さんは」から始まる嫌味を聞かされていた。
ただ、その日の僕はなぜかすごく苛立っていた。多分母のことで無性に腹が立っていたんだと思う。
純粋に話をしにくる人、嫌味を言いに来る人、寄ってくる小さい子供、その全ての人に対して、無視や舌打ちをしていた。
叔母が僕の前に来て、嘲笑するような笑みを浮かべているのが見えた時に、何となく怒鳴りつけてやりたくてしょうがなくなった。僕はそれまで反抗期なんてものはなかったし、自分の親どころか友達にだって乱暴な口をきいたことはなかった。やっぱりその日は無性に腹が立っていたんだと思う。
突然叔母が、その関西人らしいおしゃべりそうな口を開いて、やかましい関西弁で喋りだした。
「なあ、あんた。聞いてくれよ。恵美子ちゃんがなぁ…」
恵美子というのは母の名前だった。その後叔母が言っていたことはよく覚えていない。母の陰口だったことは覚えてるけど、そんなの毎年のことだから忘れてしまったんだと思う。自分の義理の姉に対してどうとか、家事の出来がどうとか、そんな感じだった。
頭に血が昇っていたかと言われると、そんなこともなかった。僕はあまりにも冷静で、だからこそ叔母がうるさくてうるさくてしょうがなかった。
どうにかして黙らせてやろうと、僕は口を開いた。
「あほくさ…」
膝を立てて座っていた体制から僕は立ち上がって、叔母の肩を突き飛ばした。叔母は少し大袈裟なくらい飛んで、その拍子に広いちゃぶ台の端に置いてあったコップが大きく揺れ、お茶が少しだけこぼれた。
叔母は今まで口を利かなかった僕が急に喋ったことに対してか、突き飛ばされたことに対してか、目を大きくかっ開いて、僕のことを見上げていた。
「なんや、さっきまでドヤ顔で母さんの悪口言うとったやん。えらいやかましい声で。」
周りをみると、叔父も祖母も祖父も、そのほかのどういうつながりだかもよくわからないような知らない親戚まで、目を開いてこっちを恐怖の目で見ているのに、僕の父だけは温かい色を灯した目で僕を見ていた。僕に「いいぞもっとやれ」と言っているようにも見えた。
「なぁ、もっかい言うてや。」
僕は慣れない言葉で、慣れない声色を使って、叔母を追い詰めた。腰を地面につけて、後ろに手をついた叔母の横に立って、叔母を見下ろした。一重瞼に白目の多い瞳、垂れた頬。思わず僕は顔をしかめた。
「あかんたれが。」
僕はそのまま親戚の家を出た。携帯はポケットの中に入っていたし、財布も持っていた。どうせ地元だ、土地勘がないわけじゃない。適当に暇をつぶしてささくれ立った心を癒したかった。
どこへ行ってもやかましい関西弁が耳に入って、早く関東に帰りたかった。人がいない所なんて公園くらいしかなくて、僕は公園のベンチに腰掛けて空を見ていた。
砂場と滑り台しかない面白くない公園だった。僕が公園で遊ぶような年の子供だったら、ここにきてなにを楽しめばいいのかわからない。
もう夕方だったから、真っ赤な空だった。いつもはなにげなく見るこの赤い空も、僕には世界の終りのように感じられるくらい、えげつない赤に感じられた。
カッとなると方言が出る。そんなの僕にはないと思ってた。いつでも冷静みたいな顔をして、僕も所詮はガキじゃないか。
「やっぱここはだめだ。早く帰ろ…」
誰に言うでもなくそうつぶやいた。帰りたいで帰れるわけじゃないけど、口に出しただけで肩が軽くなった。
「なに、戻らんの?」
コキコキとなる首を横に向けると、若い女の子が隣に座ってた。よく見ると親戚の中にいた人だ。年は高校生くらい。
「自分、関東におるんやろ?関西嫌いなん?」
その人はひどく早口だった。それに香水の匂いと化粧品の香料の匂いがまざり、隣にいると吐き気がした。
「自分の母親の陰口あんな早口で言われたら誰だって怒るだろ。」
僕はその匂いがあまりにも好かなくて、少しだけ距離をとった。よく見るとその子は足が細くて、今にも折れそうだった。派手なスニーカーに派手なシャツ、派手なスカートに長い爪には赤い塗料が塗られていて、それが青白い肌や目の下に居座った隈と相まって、骸骨のような不気味さが見えた。
「…ねぇ、君。いくつなん?中学生?」
「五年生。」
「大人びて見えるなぁ。関東のどっから来たん?東京?」
「千葉の田舎の方だ。周りが田んぼばっかの。」
その子は次々に質問してきて、僕は退屈しのぎに答えていった。僕の鼻はだんだん麻痺してきて、いつしかその子の化粧の匂いや香水の匂いは気にならなくなっていた。
「なぁ。うち、ミチルっていうねん。君は?」
「…」
僕はおもむろに立ち上がった。胃が焼けつくように痛くて、立ち上がると視界の隅に霧がかかった。
ミチルも無言で立ち上がった。何も聞いてこなかった。何か聞かれたとしてもこの状態じゃうまく喋れるか怪しかった。
立ち上がっても胃の痛みがどうにもなくならなくて、僕は歩きだした。空を見る余裕のないくらい胃が痛んでいたけど、僕はさっきまで見上げていた空を思い出して、世界じゃなくて僕が終るのかと思った。
目の辺りに物が飛んできたときに目を咄嗟に瞑るような感覚で、僕が関西にいた頃に一回だけ来たことのある落ち着いた雰囲気のカフェに足が向いていた。まるで何度もここにきたみたいだ、と思ったけど、僕はこのカフェに懐かしさも感じないくらいに思い出が薄かった。いつの間にか胃が平常運転を始めたことに気づき、僕は片目でミチルを確認してからカフェに入った。
一番暗い席に座ると、今まで無表情だったミチルがどこか色気のある笑みを浮かべて、僕とまた一方通行の質疑応答を始めた。
「関西弁嫌いなん?ずっと標準語やね?」
「…今日で嫌いんなった。」
「あのおばさんうちも嫌いやった。見た目蛙みたいやんな?」
「…あ、ああ、そうだな。」
「あかんたれ、ってなんか久しぶりに聞いたわ。懐かしくて涙でそうやった。でも、よう言ったな?おとなしそうやのに。一人誇らしげにしとったのあんたのおとんやろ?そっくりやったもんなあ…」
僕とミチルはさっきまでとは打って変わって、まるでもとから知り合いだったようにしゃべり始めた。何となく架の話をするのは嫌だったから、秋と凛子の話をした。
「僕の友達に、すごく仲の良い兄弟がいるんだ。お母さんはもう随分前に亡くなってていないんだけど、お父さんは何回があったことある。
そのお父さんがさ、ミチルもきっと会ったら思うだろうな、すごくかっこいいんだ。その兄弟は二人とも美形なんだけど、妹の方はお父さんに全然似てない。だから多分お母さん似なんだろうな。」
僕が秋と凛子の話をすると、ミチルは手を膝に置いてうなずきながら行儀よく話を聞き始めた。その仕草が少し可愛くて、僕は笑ってしまった。いつのまにか化粧の匂いのことなんて何も気にしてなかった。
「兄の方は身長が百七十くらいあるんだ。妹の方は多分百四十もないと思う。二人とも愛想がよくてね…そう、それで妹は声を出すのがあまりうまくなくて、いつも筆談なんだ。でもね、不思議でさ、僕もその子の兄も、あともう一人いる僕の友達もその子がスケッチブックに字を書いてる間、イライラせずに待ってるんだ。その子とは結構長い付き合いなんだけど、僕はいままで話が一旦中断してその子が字を書いてる間に苛立ったことは一度もない。むしろ心地いいくらいなんだ。何でだろうね?」
彼女はカラカラと笑った。猫が喉を鳴らしているみたいに見えた。僕もカラカラ笑って、彼女がカフェオレを頼んだから僕もカフェオレを頼んだ。薄かったけど僕らは話に夢中でカフェオレの味なんて気にもとめなかった。
「僕もその兄弟ももう一人の友達も、みんなガラケーじゃなくてスマホなんだけど、誰も『スマホ持ってる?』なんて言わないんだ。僕たちはみんなスマホのことをスマホじゃなくて携帯って呼ぶの。」
「そか、じゃあうちも明日から携帯って言うわ。」
いつの間にか僕への質問をしなくなったミチルと、僕が帰る予定の時間一時間前までカフェオレ一杯で話した。
僕がカフェオレに口をつけて喋らなくなる間、ミチルはそれまで一緒になってカフェオレを飲むか、笑っているかだったのに急に真剣な眼差しになった。僕は何か話したいことがあるのかと思い、音を出さないように机にカップを置いて、彼女と同じように手を膝に置いた。
「なぁ…」
ミチルは膝に置いた右手を机について、僕の方に顔を近づけた。いつの間にか店内には僕らとヘッドホンで音楽を聞きながらパソコンに向かう中年の男だけになり、僕らが喋らなくなった瞬間に店内は静けさに埋まった。
「好きや。」
ミチルは左手を僕の頬にあてて絞り出すような声でそう言った。その一連の仕草が、僕にはどうも造り物のような気がしてならなかった。その証拠に、心臓の音はいつもと同じ速度で規則正しく鳴っていた。
ミチルは、そのまま僕の額に自分の額をくっつけた。確かに暖かかった。だけど。
慣れたはずの匂いが消えてない。
「なぁ…好き。」
好きの発音が違う。僕が今まで知ってた好きと。
ミチルの唇が僕の唇に触れるか触れないかの所で、僕はミチルの肩を押した。
「やめろ。」
強く言いたくなかったけど、やっぱだめだった。
ミチルは、叔母の娘だ。最初っからわかってた。でもミチルが隠してたから僕も乗っかった。
ミチルは僕を真正面から見た。その目が「あかんたれ。」と言ってるように見えた。一重まぶた。白目の多い瞳。
「…ごめん。」
思わず謝った。こんな時どうしたらいいかわからず、うつむいた。
僕らは無言で席を立ち、無言で会計を済ませた。ミチルは自分の分のカフェオレの代金三八〇円をきっちりと払い、僕も自分の分を払った。
カフェを出ると、それまで僕についてきてばかりだったミチルが僕の前を歩いた。その歩き方が尻尾を下げた犬みたいに見えた。どこか動物っぽいミチルを僕は一瞬でも可愛らしいと思ったけど、あの目を見るとどうしても叔母の顔を思い出してしまうのだった。
ミチルはカフェが見えるくらい近い所にある花壇に腰掛けた。僕はミチルの右に座った。
「うちのおかん、誰だかしっとった?」
「知ってたよ。」
「そか…。そか。」
ミチルはさほど悲しそうな顔はしてなかった。むしろ安心したような顔をしていた。携帯で時計を見ると、帰り予定の時間まであと三十分だった。時間に厳しい父さんのことだから時間ぴったりに電話してくるはず、と思って携帯をマナーモードに設定した。
「もう時間ないんやろ?はよ関東に帰りたいんやもんな、最後に喋らせてな?
うち、おかんと昨日喧嘩した、やからあんたがきっつーい関西弁で罵ってんの見てな、心が晴れたんや。
ほんで、つけてったらつまんなそーな顔して、空じーっと見とったから、話しかけたんよ。
うちな、生まれてからずっと大阪の下町。どこ行っても関西弁。でもそれが当たり前や。だって関西やもん。
あんたの言葉にドキッとしたんよ。わかるやろ?そーゆーの。小学生なんて絶対嘘やと思ったし。だって落ち着いてるし、かっこいいんやもん。
あんたには謝らなあかんな。ごめんなさい。」
ミチルは、いままでよりゆっくりと喋った。多分、この人の喋りのテンポはこれが正解だ。今までのは緊張してたから速かっただけ。
その後五分間くらいお互い黙り続けて、僕の携帯のバイブ音がその静けさを壊した。やっぱりそれは父さんからで、内容の確認もほどほどに僕とミチルは親戚の家に向かって歩を進めた。
その間、ミチルはぎこちない喋りと一緒に僕の隣を歩いていた。ガタガタで笑ってしまうような標準語だった。でもそれでもがんばって喋ろうとする姿が愛らしくて、僕はまた笑ってしまった。
僕は父さんの車に乗り込む時、ミチルに手を振った。ミチルも笑って振り返した。
ミチルが見えなくなった時、父さんが口を開いた。
「ミチルちゃんと一緒にいたの?」
僕はうん、と答えて、今日あったことを話した。勿論キスの話以外。
「姉さんね、あの後どうだったとおもう?」
父さんはあまりにもうれしそうだった。明らかに自分の息子が自分の姉を突き飛ばした時の対応ではないなと思ったけど、僕は「どうだったの?」と聞き返した。
「申し訳ないことをした、って反省しとったよ。」
意外だった。あの人が反省するなんて思ってなかった。
僕は「そうなんだ。」と考え込むように言い、しかし何も考え込んじゃいなかった。
今日で僕は、関西が今まで以上に嫌いになった。結局僕は、叔母の娘だというだけでミチルのことを突き放した。
ミチルの拙い標準語を思い出して胸が痛くなった。自分が今まで以上に小さくなった気がして、助手席で僕は眠り、新幹線の中でまた眠った。
「…関西の女の子と?お前が?仲良くなったの?」
「うん」
「ほんでキスされそうになったの?」
「うん」
「それがきっかけで関西弁も関西も嫌いになったの?」
「…うん?」
それは少し違う。ミチルのせいじゃない。
僕のせい?いや、叔母のせいか?
「その話、架がいた頃にしてくれればよかったのに。絶対あいつ喜ぶわ、そんな面白い話。」
秋は僕の知ってる秋になった。心がすとん、と軽くなる。
「あんまいい話じゃないよ、かっこわる…」
思えばよくこんな話を友達にしたもんだ。あの日ミチルを突き飛ばした僕を思い出して、胃が痛む。
「ミチルさんは今何してんの?あれから会った?」
「一度も。」
そうだ、僕は一度も会ってない。
大阪にすら行ってない。逃げている。あれからは毎年、父だけが実家に帰り、僕は母と家で待っているのだ。
結局、あかんたれは僕だ。
「いつか会いたいとは思う。ミチルはどうかわからないけど。」
「お前は、ミチルさんのことどう思う?好きなの?もう会いたくない?」
僕は少しの間考えた。答えは決まってたけど、どう言おうかを考えた。
「謝りたい。」
そう、僕は謝りたいんだ、ミチルに。
「結局僕は、叔母さんの娘だからミチルを突き放したんだ。
あの時は小学五年生だった。でも今は中学二年生やし。
もう、そんなガキみたいなことせんよ。」
秋は、うなづきながら手で顎を支える姿勢で考え込んでいた。
「もう時間だ。だけど、今度もう一度詳しく聞きたいな。」
「今度は凛子も一緒でね。」
秋はまだ少し悩ましげな表情で立ち上がり、半分ほど残っていた麦茶を飲みほして、「ごちそうさま」と言って丁寧に机に置いた。
秋が帰る時に、僕はきちんと秋の目を見て、伝えたいことを伝えた。架が死んだ時も、ミチルを突き飛ばした時にも、僕が出来なかったことだ。
「架が死んだってなんも変わらん。今日みたく、ちゃんと喋ろうな。」
僕は、架が死んで変なふうに歪んだ僕らに耐えられない。今までずっとそうしてきたものを崩すのが、怖くてたまらない。
「そうだな。」
秋は微笑んでそう言った。架のような天使は見えなかったけど、綺麗なものだった。




