Ⅱ
はい、第二話です。
コレだけ時間が空いてる割に短いです。
どうぞ
「さて、計画の内容はとりあえずまだヒトでいるやつらを見つけてここに集めると。」
「ま、そんなところね。」
聖華は胸を張ってえらそうに言った。
「さて、聖華や。ここで俺からこの計画についての問題点を指摘させてもらう。」
「は?」
「まず第一に見つけ方。ここの放送施設やら何やらを使っても集まるのはせいぜい半径1キロ未満。
第二にもし見つかった際の食料。ここら周辺のコンビニ、スーパー、ほか諸々をつかっても今の俺たちの分が一年分あるかどうかすら怪しい。さらにこうなってからは気候が相当荒れている。そうすると管理が難しいため生物はおろか野菜類も一月と持たない。仮に燻製等にして保存しようにもこの気候じゃ天日干しもできやしない。ほかにもまだあるが重要なのはこの二つだな。」
「・・・・・・それもそうね。確かにその二つはこの計画を行うにあたって相当な問題点ね。どうするべきかしら。」
指摘された問題に対してうなだれる聖華。それをニヤニヤと眺める奏。
「何よ。」
「ん? いやぁ、何でも。ちょいと昔を思い出してな。」
「そう。ところでこの二つの問題、どうすればいいと思う?」
「一番簡単なのはこの計画をあきらめる。だが、お前がそれをするとは思えないな。」
「もち!」
「でだ。まずは作るのが一番早いと思う。野菜でもいいし肉のために犬やら何やらを潰すのも考慮する必要がある。」
「それって、野菜はいいとして肉に関しては元ヒトを潰さないといけないってことでしょ?」
「そうだ、だが大事なのは潰すこと自体じゃない。俺らが潰すことのできる精神力を持っているかだ。」
「・・・・・・私はいやよ。だって、ヒトだったんだよ。近所の誰とも知れないヒトをそうやすやすと殺せるわけないじゃん。」
「じゃあ諦めるか? これができなきゃこの計画は無理だ。」
「で、でも・・・・・・」
「野菜だけじゃ無理だ。第二次世界大戦終戦後、肉を食えずに栄養失調で死んだ人間は五万といる。
生き残った人は金持ちかほかの生き物を潰せる覚悟を持ってたやつだけだ。」
「・・・・・・」
現実を突きつけられる聖華。奏はそれに対し眉ひとつ動かさずに目を向ける。
「まぁ、今のところは食料もそれなりにあるかすぐに決める必要はない。だが一応野菜と飲み水だけは完備しといたほうがいい。肉に関してはいまや街中でも弱肉強食。食物連鎖が成り立ち始め肉に関してだけはその場その場で確保できるだろう。」
「でも、この天気じゃ野菜を作るって難しいんじゃ。」
「馬鹿め。」
「はぁ!?」
聖華のちょっとした疑問を嘲笑う奏。
「ここは元学校だ。水もエアコンもある。擬似的な温室は作れる。」
「あ、そうか。」
「本当に馬鹿め!」
一時的な問題の解決策は見つった。だがまだまだ問題は山積みである。
「じゃあ次、人の集め方ね。私の中では適当に消防署とか警察署で車を動かせばいいと思うんだけど。」
「さて、それに対してまた返えさせてもらおう。」
聖華の案をことごとく潰しにかかる奏。
「今度は何よ。」
「ヒトがいなくなり始めてからどのくらい経過した?」
「あの学者の説が証明されてから大体二年ね。」
「そうだ、法律が機能しなくなり始めたのが約一年前。そこから警察も何もなくなったとすると。パトカーや消防車も約一年一ミリも動いていないことになる。」
「そうだけど、それがどうしたの?」
「はぁ、コレがどういうことかわからないのか?」
「わからないわよ。」
「まずな、ガソリンとかは非常に気化しやすい。ドラム缶ならまだしも車のガソリンタンクじゃ密閉度が足りずに気化してしまい今は入ってない可能性がある。
もし残っていてもバッテリーが残っていないだろうな。」
「んー、よくわかんない。」
問題点を問題点として理解できていない聖華。
「簡単に言うとだな、ほぼ100%動かないってことだ。」
「じゃあ、どうやって集めればいいの?」
「まずは火だな。今の状況じゃ自然火事が起こることはほとんどないと思うし、その火に気がついてこっちに来るやつがいるかもしれない。燃やすのは車丸一台とかやってもやりすぎじゃないな。」
「結構大きく考えるわね。」
「そうでもしないとお前の計画は成し遂げられんぞ。」
「それもそうね。じゃ、早速火をおこしましょ。」
急に気張りだして行動しようとする聖華だが。
「まてい!」
「今度は何?」
「どこから車を調達するんだ?どうやって調達するんだ?」
「そんなの運転すれば。」
「言っただろ今ある車はほぼ動かせない。それとももっと現実を知りたいか。」
「それは勘弁してよ。じゃあ、どうするの?」
「一番近場から押す。」
「それしか方法はないようね。」
「後は着火方法だな。ガソリンがないからちょっとした火じゃ燃えねぇし。」
「車体のしたに薪をおいて着火すればいいじゃない。」
「それしかなさそうだな。」
「それじゃ!行動開始!」
初めての指針が決まった瞬間であった。
こんなのですいません。
これからもだらだらと更新していくつもりですのでよろしくお願いします。
では