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クリスタル・クロニクル  作者: 氷柱
21/48

18 変化

長らく空けてしまいました……。

更新します^^

 セピア・ガーデン2階、多目的フロア。

 一定の間隔で設置されている窓から朝の日差しが溢れる一本の長い廊下を、ジークは迷いなく歩いていた。


 ジークの毎日は実に規則正しい。任務があるとき以外は毎日同じ時間に眠り、毎日同じ時間に目が覚める。それはジークの持つ血のせいだが、彼は割と自分のそんな性質を気に入っている。



 野生の本能、というのだろうか。背くつもりはないが、どうにも逆らえないものであった。



「おはようございます、ジーク」


 考え事をしながら歩いていた矢先、唐突に名前を呼ばれて肩越しに振り返る。


「お、ハンナじゃん。おはようさん、任務帰りか?」


 朝の陽ざしが降り注ぐ廊下の先に立っているハンナが、はにかんで小さく頷いた。



 あのノワール侵入事件の次の日から進んで任務へと出かけていたハンナが三日ぶりにガーデンへと帰ってきた。あのハンナが雑用や小用ではなく、狩猟や討伐を遂行する連中のサポート役に自ら進んで同行したことには心底驚いた。あの弱気でおどおどしていた面影はなく、今はとても自信に満ち溢れているように見える。


「アズが大怪我したってウィルから連絡を貰って、急いで帰ってきたんです。これから病室に行こうと思って」


 ハンナと連れ立って廊下を歩き、それを聞いてジークは頬をぽりぽりと掻いた。


「俺も今行くとこなんだけど……大怪我って程の怪我でもねえよ?もう治りかけてるし」


「そうなんですか?詳しくは教えてもらえなかったんですけど、一体何をして怪我を……?」


「ん?素手で修練場の床を木端微塵にぶち抜いた」


「こっ……!?」


 予想通りに目を丸くして言葉に詰まるハンナ。ジークも「信じられねえよなあ」としみじみ頷いて歩みを進める。

 ハンナもあの「リンゴぐしゃり事件」を目撃しているはずだが、やはり壊したものが果実に留まらなかったせいでアズの力がこの世界の次元を超えていることに驚きを隠せないようだった。


 ……うん、隠す隠さないの問題以前にあり得ないもんな、あれは。


「それでも骨折してないし、むしろ床のが重症。修復するのに1週間はかかるってよ。ホントにアズはすげえよなー」


「笑い事じゃないですよ!」


 ケタケタと笑い飛ばすと、ハンナは怒ったようにジークを睨んだ。前はこんなに自分の感情を表に出すような子ではなかったと思うが、これもアズのおかげなのだろうか。


 そうこう話している内にアズの病室の前に到着した。


 ハンナの表情が急に固くなり、伺うようにジークを横目で見つめてくる。


「なに?ちょっと怖気づいた?」


「違いますよっ。もう、すぐに人をからかうんですから……」


 ニヤッと笑って見せればなぜかムキになって頬を膨らませる。違うと言いつつも肯定のように聞き取れた。


「じゃ、俺が開けてやるからさ。……ってか、この時間じゃまだ寝てるかなぁ?」


 そう言って、スライドドアをほんの少し開けて左目で中を覗いてみた。


 アズの姿を探し、ベッドの方へと視線を向けて……無言でゆっくりとドアを閉める。


「……」


「やっぱりまだ寝てました?」


 ドアを閉めたままの姿勢で黙っているジークにハンナが遠慮がちに声を掛けるが、ジークはその問いには答えず目をごしごしと擦ってもう一度ドアを少し開けて中を覗き見る。



 ……見間違いじゃなかった。



「……ジーク?どうしたんです?」


「や、確かに寝てんだけど」


 中を覗いたまま呟くと、ハンナが「じゃあまた来ましょう?」ともっともな事を言う。しかし、そういう問題ではなかった。



 アズの寝ているはずのベッドの中に見えた、



「あれ……誰?」


「は?」



 とても長くて綺麗な、薄紫色の髪。



「……アズの寝てるはずのベッドに、見知らぬ女性が」


「…………」


 眼鏡の奥にある目を数回瞬かせ、ハンナはぎこちない動作でジークの顔の下に頭をもぐりこませて隙間を覗き込み、


「……誰?」


 たっぷりの間を置いてからジークと同じことを呟いた。


「俺に聞かれても……。病室は合ってるはず。とりあえず中入ろうぜ?」


「は、入るんですか!?もし違ってたら……!」


「声でかいっ」


 慌ててハンナの口を塞ぐも、ベッドに横たわっていた薄紫色の髪の女性が身じろぎをして小さくうめいた。ぎょっとして2人で動きを止める。


「ん……」


 上掛けからすらりと細い色白の腕が出てきて、億劫そうに髪をわしゃわしゃと掻きまわす。その女性のものとは思えないぞんざいな仕草に違和感を覚えた。


 というか、女性というよりは少女と言った方が合っているかもしれない。華奢すぎるその細腕は、まだまだ未発達の幼いものに見えた。


「アズ……起きて。朝だよ」


 その人物が声を発すると、上掛けのふくらみがもそもそと動く。どうやらここはアズの病室で間違いなさそうだった。……って、


「……ヴェール?もうちょっとだけ寝かせ……て?」


 ここからだと薄紫色の髪の人物の頭しか見えないが、どうやらアズもしっかり目が覚めたらしい。


 数秒の沈黙の後、その人物に視線を向けたままアズがゆっくりと体を起こした。上掛けがアズの動作に引っ張られ、寝ている少女からはだけて白い肩が姿を現す。


 信じられないようなものを見るようなアズのその表情に、ジークはある1つの仮説を立てた。



 あの少女は……信じられないけど、あの子は――、






「ヴェール、女の子だったの?」


「いや?一応雄だけど」





 自然な流れでアズの視線が股間にいき、




「ほら、ちゃんと付いてるでしょ?」




 当然、叫んだのだった。








**








「……信じられないな、これは」


 アズの悲鳴に駆け付けたゼノが椅子に腰かけ、とても真面目な顔つきでそう言った。



 セピアノスの夢も見ないほどに深く熟睡していたアズを起こしたのは、見たこともないくらい完璧な容姿をしたとても可愛らしい女の子だった。


 しかし、


「アズ、すっごいむくれてるぞ。なんか声かけてやれ」



挿絵(By みてみん)



 その張本人(?)であるヴェールは、ベッドの端に腰かけてあからさまに視線を逸らして頬を膨らませているのだった。


 羨ましいほどに白く透き通った肌、薄紫色の絹糸のような細く長い綺麗な髪。


 ちょっぴり端が吊り上がり気味の目は大きく瞳はくりくりとしていて、髪と同じ色のまつ毛もふさふさ。


 小さな鼻に、グロスを付けたように艶やかに光っているぷるっとした下唇……。


「か……」



 どこからどう見ても、もはや女の子にしか見えない。



「可愛いよヴェールゥーッ!」


 こらえきれずにむぎゅっと抱きしめると、「うぎゃ」と小さな悲鳴を上げて一緒にベッドに倒れこんだ。


「最初はびっくりして叫んじゃったけど、どっからどう見ても女の子だよ!ホントに可愛いよ!アイドル以上だよ~!」


「……現金だね。俺の下半身見て“ぎゃーー!!変態馬鹿痴漢っ!近寄らないでー!!”とか叫んでベッドから突き落としたの誰だよ」


「うっ……。だって素っ裸だったんだもん。びっくりするよ」


「竜は服なんて着ないし」


 2人してベッドに寝転がってそんな話をしている中、壁に寄りかかってこちらを見ていたジークが深々と溜息をついた。


「男の下半身の云々はどうでもいいけど、なんで人型になってんだよ。竜族が人の姿に変われるなんて話聞いたことねえんだけど。……ハンナは?」


「私も聞いたことないです」


 ゼノの隣にあるもう一つの丸椅子に腰かけ、ハンナも小さく頷いた。


「そうなの?ヴェールが人になれてるなら皆そうかと思ったんだけど」


「ちっがう。俺だからなれんの。他の竜と一緒にしないでよね」


 むくりと体を起こしたヴェールが不機嫌そうに言い、頭をぶんぶんと振って鬱陶しそうに顔をしかめた。


「なんでこんなに髪長いんだよ~……、もう。人ってほんと不便だね。空も飛べないのによく生きてられるよね、不思議でしょうがないんだけど。アズ、これ縛って」


 ヴェールの薄紫色の髪は一本一本がとても細く、手に取ってよくよく見るとうっすらと透き通って見える。そして日の光に当たるときらきらと淡く虹色に輝くのだ。


 竜型時の体毛は、人型時では髪に反映されるのだろうか。実に興味深かった。


 とりあえずベッドの端に腰かけてもらい、アズはハンナからもらった青いシュシュを片手にヴェールの長い髪をまとめにかかった。


「それにしても、雄なら雄なりの服をチョイスしてもらえよ。なんだよその格好……似合いすぎるだろ」


「これ、ユリアの服なんです。私が行って借りてきました。可愛いでしょう?」


 ジークが言うのも無理はなく、今のヴェールの格好はまさに女の子そのものだった。


 腕先と裾部分がきゅっと窄まっているふんわりとしたシフォン素材の白いカットソーに、ジーンズのミニ短パン。そして、ついつい目が行ってしまうニ―ハイを穿いた白く細い脚。


「……お前ホントに雄か?」


「雄だって。一体あと何回言えばいいんだよ」


 トドメに、頬を膨らませて上目遣いのこのひと睨み。狙ってやっているわけじゃないのだろうが、悩殺ものだ。怒っているつもりでも全然怖くない。むしろ竜型の方が怖い。


「ヴェールって一体いくつなんです?見たところ、ユリアと同い年かそれより低いように見えますけど」


「別に歳の概念はないね。こんな体系になっちゃったのも深い意味はないし。たまたま?」


 首をかしげてヴェール。急に動くものだからせっかく苦労して纏め上げた髪が指の間からサラサラと零れ落ち、「ちょっと動かないで!」と釘を刺して頭を元の位置に戻した。


 細くて髪の量が少ないうえに癖がなく、見た目とは裏腹にとても扱いにくい。おまけにとてつもなく長いせいで上げても上げても重力に従って下へ流れてしまう。これは悪戦苦闘しそうだ。


 ゼノが顎に手を当てて苦笑した。


「……恐ろしくアバウトな能力だな。じゃあ年齢は自在に変えられるのか?」


「いや、それは無理」


 頭を振りそうな気配があったので、空いている片手でがしっと押さえた。


「なんでヴェールだけ人になれんの?特殊能力かなんか?」


「そんなとこ。なんでなれたのか俺にもわかんないし」


「……ますますアバウト」


 深々とため息をつくゼノを見つめ、ヴェールはぼそりとつぶやいた。


「たぶん、アズを抱きしめたいって思ったからだと思う」


「あたし?」


 ようやく髪を束ねあげることに成功した矢先に自分の名前が出てきたので、首をかしげてヴェールの後頭部を見た。


「竜のままじゃ抱きしめられないでしょ?アズは抱きしめられると嬉しいって言ったから、俺にも人みたいな体だったらいいのになって思った。……で、朝起きたら人になってた」


 小さな手のひらを目の前にかざし、握ったり開いたりしてヴェールは言った。


「指が5本ってなんかすっごく変。竜は4本しかないし、爪だってこんなに柔らかくないし……でもすらっと長くて見てて気持ちはいいね。二足歩行っていうのも新鮮。視線は低くなったしバランスとるの難しいけど。……あ、尻尾ないや。変なの」


 人型の感想を述べ続けるヴェールに、その場にいた全員から思わず笑みがこぼれた。こうしていると、まるで本物の人族の女の子のようだった。


「竜には戻れるの?」


「うん。でもまだこのままがいい」


 ベッドから投げ出した細い脚をぶらぶら振りながら、アズの問いにヴェールが答える。


「はい、できた。ポニーテールならぬドラゴンテールの出来上がりー!」


 ようやくまとめ終えた髪を前へ払い、アズは万歳してそのまま伸びをした。「おおー」とヴェールの口から感嘆の声が上がる。


「すごい。全然邪魔じゃないよ。これなら気にならない」


「でしょ?でもまとめるの時間かかるからあんまり解かないでね」


 頭を左右に振るたびに揺れる髪が気に入ったのか、ほっこり顔のヴェールは嬉しそうにポニーテールを触ってはまた頭を振るの繰り返し。ハンナが優しげな眼差しでその様子を見ている中、ようやく任務(?)を達成したアズはベッドから降りて立ち上がり、右手の包帯を解いた。


「もういいのか?」


「はい。痛くないし、なんか治ったような気がします」


 しゅるしゅると解いた包帯を絡め取り、ガーゼを取ってゼノに差し出した。


「本当だ……完治してる」


「マジで?」


 ジークも近寄ってきて屈みこみ、右手の甲をじっくりと眺めて「信じらんねー」と驚いたように目を見開く。


「驚異的だな。さすがはセイレーン」


「関係あるのかな?」


「大有りだろ」


 右手を握ったり開いたりと繰り返し、ぐっと握りしめて「よし」と頷いた。


「あたし、これから力加減を勉強します!何か柔らかい物ってありますか?」


「柔らかい物……?あ、ラムの実がいいんじゃないか?」


「ああー、ラムの実っすか。食堂に行けば貰えるかもよ」


「ラム?」


 首を傾げると、「この世界で一番柔らかい果物です」とハンナが説明してくれた。


「おお、練習するにはもってこいだね!ヴェール、さっそく食堂に行こう!」


「行く!」


 自滅してしまうほどの馬鹿力を制御すべく、さっそくアズはヴェールと連れ立って食堂へ向かうことにした。


 きちんとコントロールするためでもあり、何より、クラウスとの組手もまた楽しみだからだった。


「あ、私も一緒に行きます。分からない事が多いでしょ?」


「助かるよ!ありがと、ハンナ」


 椅子から立ち上がるハンナを廊下で待ち、3人で肩を並べて食堂へと歩き出した。





**






 病室を出て行った3人を見送り、ゼノは空っぽになったベッドに向き直って腕を組んだ。


「ヴェールの事、どう思う?ジーク」


 呼びかけると、「うーん」と考え込むような唸り声が返ってきて、ジークがベッドの端に腰かけて天井を仰いだ。


「普通じゃないにしろ、アブノーマル種だってあんな芸当ができる訳がない。ヴェールは“特殊能力”のようなものだと言っていたが……俺は信じられない」


「確かに、人と竜はまったく異なる種族っすもんね。“なりたい”と思うだけでああも完璧に擬態?できるとなると、疑う方が難しい気もしますけど。なにせ幻の竜っすからね、何をしても納得できるというか」


「……」


 ジークの言うことにも一理あるが、裏を返せば何でもできるということになる。ヴェールは人型に姿を変えられるが、年齢は変えられないと言っていた。


「なにか理由があるはずだ。……本人はとぼけているのか本当に分かっていないのか、俺としても断定できないが」


 深く息を吐いて目を閉じ、ふと先日の事を思い出す。


「そういえば昨日、飼育室にいたウィードと話をしたんだが……ヴェールの体つきは成竜そのものだと言っていたな」


「へ?でも人型はユリアよりもいくつか年下に見えたっすけど」


「そこが問題だ。竜型は小柄でも成竜そのものだっていうのに、何故人型時はあんなに幼いんだ?あの体つきは10代前半くらい……何故だ?」


「もしかして、ヴェールって実は結構幼い……とか?」


「成竜の体つきで、か?」


「他の竜と比べれば体は成竜でも、セブンスドラゴンという種の中では幼いとかって事じゃないですかね?あくまで憶測の域ですけど」


「……ふむ、そういう考え方もあるか」


 ジークの答えに納得して頷く。幻も幻、今まで本物を誰も見たことがなかったセブンスドラゴンだ。そういう生態だったとしてもおかしくはない。


「知らないことばかりで、どうも自分の物差しで世界を測ってしまうな。……もう少し、アズみたいに素直に物事を受け止められるようになった方が変に悩まなくて楽か」


「素直すぎんのも問題ですけどね」


「それは言えるな」


 思わず苦笑して頷くと、「あ、団長ひでぇ」と張本人が呆れ顔で返してきた。お前が言ったんだろうが、と言おうとして顔を向けたその時、ドアの向こうで小さなノックが聞こえた。


「だんちょー、いるー?」


 ユリアだった。


「ああ、開いてるぞ」


 答えるとドアがスライドし、大きな肩掛け鞄を下げたユリアがとことこと病室に入ってきた。猫目がベッドの上に腰かけているジークを捉えた途端にぴゅっと細まり、ゆらゆらと揺れていた尻尾がぴたっと動きを止めた。


「うぎゃっ!ジークッ!」


「なんだ、嬉しそうな声出して」


 ばっとゼノの背中に隠れるようにくっついてきて、ユリアは猫耳をぺたっと後ろへ倒して猫のように唸った。そんなユリアをからかうようにジークがにやにやと笑って声をかける。


「全然嬉しくない!なんでここにジークがいんのさ!?まさかアズの寝込みを襲う気……!?」


「おーい、思い込み激しすぎ。なんですぐそっちへ行くんだよ」


「日頃の行いが悪いからだ!」


「……あ、そうっすか」


 服の裾をぎゅっと握って離さないユリアを持て余し、ゼノは今日何度目になるかわからないくらいの溜息をついた。……ここ最近は溜息ばかりついているような気がする。年かもしれない。


「もっと仲良くできなのか、お前たちは」


「俺はいつでも準備オッケーなんすけどね、この子猫ちゃんだけがどうも懐いてくれないんすよ」


「他のチビ達は絶対洗脳されてる!こんな犬畜生と仲良くなんて出来ない!絶対、死んでも、イヤー!」


「……そこまで嫌われてるのか。昨日はまだ良かったのに一体なにやらかしたんだ?」


「ああ、団長ひでぇ!理由を聞きもせずに俺が悪者!?」


「日頃の行いの悪さだ!少しは悔い改めろ!」


 べーっとざらざらした舌を突きだし、ユリアがあっかんべーをするとさすがのジークも多少なりともカチンときたのか、笑顔のまま目元がぴくっと引きつった。


 さすがにそろそろ止めに入らないとえらい騒ぎになりそうだったので、話を逸らすためにユリアに向き直った。


「で、俺に用があったんだろ?またリノ婆からの手紙か?」


「うんにゃ、もっともっとお偉い御方からの手紙」


 舌を引っ込めたユリアが大きな鞄に手を突っ込み、すぐに綺麗な白い封筒を差し出した。


 手紙を受け取り、その右隅にある金色に輝くエンブレムを視界に入れた瞬間、ゼノは息をのんだ。


「……まさかこんなに早く来るとは思わなかったな」


「誰からですか?」


 興味津々で覗き込んでくるジークに見えるように手紙のエンブレムを見せ、




「ルディアナ国王陛下直筆の、招待状だ」




 にこっと笑って見せた。 



結論。



ヴェールは、超絶可愛い女の子!!




……みたいな男の子です♡

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