神々の対話…①
燦々と降り注ぐ陽光を浴びて、優雅にも玉座に肩肘を着いて目を閉じているのが、アース神族を束ねる最高神・オーディン。その前に跪き、頭を垂れている甲冑姿の雷神・トールが切迫感を帯びていた。
「オーディン様、戦場は混沌としています。このままでは終焉が――」
「あぁ分かっているさ。だから、他の輩達にはミドガルドから追加のエインフレアを狩り集めてさせている。まぁ付け焼き刃にしかならないのは分かってはいるんだがな…」
「何でヤツラは解らないんだ!オーディン様が居れば完全なる秩序に満ちたこのアースガルドで何不自由なく暮らせたというのに」
血が出るのではないというくらい拳を強く握る。
「そう言うなトールよ。こうなることは既に決められていたのだよ。いや正確に言えば、こうなってしまった、だがな」
嘲笑を浮かべる表情は何処か愉しそうにも見える。
「オーディン様」
空間から突如として現れたのは金色の髪をなびかせた愛と戦闘の女神・フレイアだった。
「…フレイアか。吉報か?」
「残念ながら…。エオルクランスに関しては敵の手中に落ちた、と」
「そうか…まぁ良い。こちらにはアウルゲルミルの涙がある。奴ら巨人族にとっては喉から手が出るほどのものであろうな。力ずく、それとも交渉に出てくるか…」
とんとん、とこめかみの所を叩きながらオーディンは片手にあるワイングラスを傾ける。
「ロキめ…悪戯にしては度が過ぎるぞ」




