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コーヒーがぬるい夜

作者: 濁冷 呑
掲載日:2026/05/14

疲れているのに、なぜか足取りは軽い。

少し冷たいドアノブを押すと、夜がまとわりつく。

夜と影が溶け込んで、輪郭を失っている。

そっと車に乗り込む。

公園の樹々がさわさわとライトアップを遮る。


飲み損ねていたコーヒーに口をつける。

ぬるいのに、何故か後味が甘い。


ゆっくりと、深いため息をつく。

そしてゆっくりと、伸びをする。


このまま、帰るだけだけど。


夜の道を、ラジオだけが通り抜けていく。

車の音はやけに優しかった。


もう一口、静かに。

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