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大栄 三

許昌とは同郷だった。許昌の父は句章で私塾を開いており、班憲もそこで学問を学んでいた。

読み書きは一通り出来るようになり、軍学なども好きだったが、それ以外は可もなく不可もなくだった。

その代わり腕っぷしは強く、剣の使い方も軍人だった父から教わった。

許昌は闊達ではあったが書見が好きで、班憲と違い外で動き回るようなことはあまりしなかった。

それでも、塾では毎日顔を合わせていたし、歳も近く、許昌が話好きということもあり、それなりに親しくはなった。

ただ、趣向が違い過ぎたため、どうしても少だけ、一定の距離は空いていたような気がする。

「侵入している一人は孫堅という者だそうだ。手の者から報告が入った。富春県の人間で、同郷の若いやつらを集めて自警団のようなことをしているらしい」

砦内の兵の一人から報告が入った。この辺りではそれなりに有名な者らしく、顔を見たことがある兵も何人かいたようだ。

「呉燐の使いできていた祖茂とかいう者が手引きしたようだな。およそ官軍では考えられないやり方だ。」

以前打ち破った揚州刺史の臧旻ぞうびん辺りの差し金だろう。

一見無茶だが、この砦を陥とすには最も有効な方法だ。砦を包囲して味方の兵を引き付け、そのまま許昌の首を目指す。

「程普が裏切ったようだ。許昌。」

「裏切ったのではなく、元々やつらの仲間だったのだろう」

班憲もそう感じていた。しかし、程普が許昌のもとに来たのは一年以上前だ。しかも、外部との接触は一切行っていた様子はない。程普に限らず、砦の兵全員の動向は徹底的に監視していた。

人間を管理する許昌の能力には目を見張るものがある。

では程普は細かい示し合わせもなく、一年我々の仲間として官軍と戦い、孫堅達を待ち続けていたことになる。

「班憲早く中にいるやつらを皆殺しにするのだ。外からの攻撃はいくらでも防げる。死んだ兵の分の人間もすぐに補充できるのだ」

昔から許昌の周りには人が集まった。それは元々許昌が持っていたものを、さらに独自に磨きあげた才覚なのだと、班憲は思う。

砦の兵達に対し許昌は実にもっともらしく、現在の漢王朝の腐敗を語る。

これで以上です。

中途半端ですみません。

この後に考えていた構想は、概ね現在連載中の倭国大乱に引き継いでいます。

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