2話 悪者退治
「さっむ!」
飛び出したはいいものの、もっと厚着するんだった。4月の夜舐めてたわ。
今から取りに行くわけにもいかないし、火の玉携帯していよう。
「火ノ玉」
プラシーボで暖かみ感じられるからマジおすすめ。夜は明かりにもなるから一石二鳥。
「スピー!!!」
「トパーズ!さっきぶり〜」
「まあ出来れば会いたくなかったんだけどね」
「それどういう意味さ」
「悪い意味じゃないって!」
軽く談笑しながら目的地へ。
「ピスちゃんパーちゃん来てくれてありがとう!スピネルは浄化危ないから後方援護、トパーズは前線加わって!魔力消費嵩んだら即撤退!」
ズルタナイト先輩は不思議な呼び方をしてくるけど、指示がめっちゃ上手くて的確。この人大好き。
って、こんなこと言ってる場合じゃなかった。前線の援護しなきゃ。
これ以上は浄化来ちゃいそうかも。
でもこいつしぶとい…引っ込みたくない……けど引っ込まないとやばい……!
「スピネル!下がって!これ以上はダメ!」
ズルタナイト先輩の声で目が覚める。
ここでみんなの足を引っ張ってはいけない。大人しく下がろう。
「スピネルちゃん、お疲れ様。」
「サファイアさん。今回もよろしくお願いします。」
「いつもそんなに畏まらなくて大丈夫だよ、これが私の仕事だから。」
救護班のサファイアさん。私たちの手当てや、浄化の巻き戻しをしてくれるとってもすごい人。
「ありがとうございます、いってきます」
「いってらっしゃい。無理しないでね。」
「スピネル復帰しました!」
「了解!前線の援護お願い!」
私の相棒、ハルバードを握りしめていざ前線へ。
「スピネル到着しました!」
「もう一押し!頑張って!」
雑魚蹴散らして突き進む。所詮こいつらはただの肉壁。さっさと散らして主犯を殺さないと。
「ゴリラ女が来るぞ!逃げろ!」
乙女に向かってゴリラ〜!?信じられない。こいつらを地獄に叩き込んであげないと!
「こんばんはー!!!全員殺しまーす!!!」
「誰だ火に油注いだやつは!」
私のかわいい服が真っ赤に染まってしまったころ、トパーズが主犯の首を討ち取った。戦闘終了だ。
「犯罪者如きにいらついちゃった、最悪〜。」
「安心しなよ、私も首狩り女って呼ばれてるし。」
「安心できないよ、これのどこに安心要素あるのさ。」
「うーん、道連れ?」
「じゃ、おやすみー!」
「また明日ね」
もう何も起こらないといいんだけど。
スマホに見飽きたころ、眠りについた。




