1話 わたしたちの日常
……朝か。
あの夢を見るのはいつぶりだろう。
先輩が、私に残した言葉。あの日から、ずっと頭の中で鳴っている。
待って時間やばい!急がないと班長に怒られちゃう。
「三分遅刻です。どこで油を売っていたんですか?」
「それくらいいいじゃん。誤差誤差。」
「駄目です。戦いに三分も遅れるなど、味方を危険に晒す行為です。信用問題に当たります。」
「は〜い、以後気をつけま〜す」
「聞き飽きました、いい加減にしてください」
「ブラちゃん、進行遅れちゃうよ」
「……失礼。話を戻しましょう。」
は〜、だっる。遅刻するとかツイてないわ。
「今日の予定は、例の特攻作戦についての会議と、結晶化進行度合の検査です。」
「この間伝えたメンバーでローテしながら進めるよ〜」
私は、ひとまず休めるかな。会議とかめっちゃ面倒くさいけどね。
「スピネルおっはよー!!!!!」
「トパーズじゃん、おはよ」
「そろそろちゃんと起きなよ〜」
「起きてるよ…」
親友は相変わらず元気だ。面倒な会議もきっとなんとかしてくれるだろう。
「…ということで、前半の会議を終了します。検査終わり次第全体MTGがありますのでお忘れないよう。」
やっと終わった〜!あとは検査…とMTG。
「スピ最近結構魔法使ってなかった?」
「あ〜、いつもより多めだったかも。」
魔法を使うたび、浄化は蓄積していく。そしていつかは結晶となって消えてしまう。
そうならないために定期検査が行われている。
その昔は、今のような検査がなく、結晶化すること自体が不明で魔法少女がバンバン消えていたらしい。
他の魔法少女たちからの不満や不安、効率の低下から調査が行われ、現在に至るのだとか。
ま、早死にしたくないし正直助かる。
「スピネル、前へ。」
にしても変な検査だけどね。機械乗るだけでいいとかさ。
「結晶が溜まっている。今月は戦闘を避けろ。」
「じゃ、トパーズよろしく〜」
「なんで私だけ!?」
「MTGを終了します。総員解散。」
やっと終わったー!!!月一とかダルすぎ。
「スピー、かえろー」
「いいよーん」
「コンビニよらん?」
「財布に何も入ってない」
「りょ」
「ママまたキレてさー、ガチだるいわ〜」
「どま〜」
「詩織んちのママガチうらやま〜」
「葵んとこのママくらい厳しくてもうちはいいけどな〜」
「うちらのママ交換する?」
「遠慮しとく」
「じゃね、また後でね」
「ばいばーい!」
いつものような何気ない会話を終え、家に帰る。
今日はサラダ大盛りがいいな。
よし、ルーティーン終えたしまた明日!
……なんてわけにはいかないか。
さっきからずっとスマホが鳴っている。
最悪すぎ〜、なんで夜に来るわけ?
まあでも、早く寝るためにはしばかないといけないわけだし行くか。悪者退治。




