表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/31

中田の告白

私の親はある殺人鬼によって殺されました。名前は小原克之。名前ぐらいは聞いたことがあると思います。現在も逃走中の全国指名手配犯になってる殺人鬼です。奴を逮捕するため、警察になったようなもんです。

しかし、20年経っても尚、奴の足取りすら掴めていない。懸賞金もかけられているに...一部ではもう死んでしまったのではないかとか、早く諦めて自分の人生を生きろとか言う人も居ます。

しかし、諦めきれないんです。奴を逮捕することが私の勤めだと思っています。


そいつなら知ってる。しかし、奴の指名手配の文句には、女性の殺害という事ぐらいしか書いてないと思ったが?


それが違うんです。私も目を疑いましたよ。指名手配の写真を見て、見覚えがあったんです。小さい時の記憶ですけど、確かにあいつなんです。私の親を殺したのは、小原なんです。


ちょっと待て。奴の顔を記憶してた?ということは現場に居たのか?


ええ。うろ覚えですけど。

思い出すだけで寒気がして来るんです。写真すら見たくない。しかし、私は確かに現場で奴の逃走した時の顔を記憶している。記憶の断片でしかないですが。


家路と山下は言葉が無かった。

そんな事実は今まで一度も聞いたことがなかったからだ。


本当なのか?だとしたら、警察に何故被害届を出さない?


記憶があまりにも断片的過ぎるからです。本当に奴がやったと言える程、証拠も何もないですから。現場から逃げるように立ち去る奴の顔を見ただけでは、警察も動きようがないですからね。


何故、その時あなたは警察に相談しなかったんですか?調書も取られた筈ですが?


声を失っていたんです。トラウマで、調書を取ろうにも取れなかった。そして、思い出すだけで震えが止まらなくなる症状は、今でもこの通りです。


腕でがっしりと身体を包み込むようにして、中田はその場にうずくまった。


...分かりました。山下。明日までここに居よう。いいな?


だから俺はどっちでもいいよ。お前が帰ろうとごねるから俺は


さ、中田君。ここじゃ何だから、君の落ち着く場所で話の続きを聞こう。


山下が最後まで話す前に、家路は中田の脇を抱え立たせる。


話せるかい?無理はしなくていい。


いえ、私が残ってくださいと頼んだんです。話します。


2人だけで話が進んでいるのを見て、山下がぶすくれる。


勝手だなまったく!


宮古の景勝地を望むホテルに移動する。

部屋から見える景色は、真っ青な海原と松林が広がっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ