100kgを越えた人物
おーい。後藤。行くぞ。
おお。
また調べものか?最近どうしたんだ?
いや、ちょっと。それより現場はどこだっけ?
しっかりしろよ。高松だよ。
ああ、そうだった。
安田が後藤を連れて一課を出ていった。家路達は先に現場に向かっていた。
現場に着くと、異臭が鼻を突く。家路達は既に遺体の身辺調査をしていた。ブルーシートを潜り、安田と後藤が入る。
すみません遅くなりました。
おう、来たか。
山下が出迎える。家路は何やら遺体について鑑識と話をしている。
安田と後藤は山下から概要を説明されていた。
本日5時頃。第一発見者はこの近くを毎日散歩している岩間徹、65歳。池の周囲を散歩していたところ、池の畔に人らしき物が浮いているのを発見。遺体の状況から死後一週間以上経過しているものと思われる。今から上流の捜査だ。
遺体は上流から流されたということですか?
分からん。家路がその可能性もあるっていうからな。俺達はそっちに行くぞ。
家路!先に行ってるぞ。
鑑識と話をしながら家路は手を振り、後から行くと答えた。
山下ら3人は上流へ向かう。
ここら辺、亀が多いっすよね?
ああ。外来種だ。どうせペットだった亀を捨てた輩がいるんだろ。この池で繁殖しているようだな。
上流は確か、ザリガニ釣りの釣り堀があったと思いましたが?
詳しいな。来たときあるのか?
ええ。昔、デートで一度。
ザリガニ釣りのデートか。どうせならボート乗るか白鳥に餌やりだろ。
でも彼女は楽しそうにしてましたよ。
そうかい。俺は一度も釣れた事はないがな。
女の子でも釣りしてたんじゃないすか?
そういうとこはお前と違って奥手なんだよ。ここいらはボケ~っと散歩できるから一人で来るんだ。そんなとこであんな死体見たら、当分ボケ~っと出来ないがな。
上流には歩いて3分。「ザリガニ釣り出来ます」の看板を見つけ、管理人室に立ち寄ると、冬季期間中の為、管理者は不在だった。
僅かだが足跡があるな。
管理人室の周りをぐるりと歩く。そこにも足跡が残されている。
これらの足跡を保存するように規制線を張る。家路が鑑識との話を終え合流した。
どうだ?何か見つかったか?
足跡がな。冬場に管理人室不在の中、ザリガニ釣りの釣り堀に好き好んで入る奴なんて限られてるだろ。
そうだな。足跡を鑑識に調べさせよう。大きく窪んでいるようなところは特にだ。
鑑識が調べると、入り口から続くその足跡は約60kg程度の足跡であった。それが、ある一定の場所から100kgを越えると調べが着いた。
100kgを越えるとなると、よほど目立つ人物だな。
いや、ちょっと待て...入り口から続くこの足跡は、ある一定の場所で突如として100kgを越えている。それまでは60kg程だ。つまり、60kg程の何者かが、ある一定の場所から100kgを越えている。ということは...
その、ある一定の場所でプラスの何かを持った、ということか?
そういうことになるな。
管理人室の周りが大きく窪んでいる足跡がある。おそらくだが、管理人室付近に何らかの痕跡があるはずだ。誰か屋根の上を見てくれないか?ついでに、近くの木に傷がないかどうかも見てくれ。
へいへいっと。
山下が屋根の上を見る。すると、被害者の衣服の一部と思われる物が目についた。更に、木の傷。どうやら何か擦ったような、ささくれだったような傷のようだった。




