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推理

科捜研の操作も同時に進行するとして、私の見解を話しても良いかい?


家路は遺体の全身を見た。すると、あるところに目をつけた。それは足の指だった。


うん。ここ。分かるかな?足の指の関節部分。何か擦り傷のようになってるね。これは見たかい?


中田は頷いた。


ええ。確かに擦り傷のようになってますが、それが何か?


うん。これはね。亡くなった後に引きずるとこういう傷が出来るんだ。覚えとくと良い。


え?じゃあ引きずってここまで?


いや...ただ、誰かが遺体を運んだとしか今は言えない。あとはその誰かだが...保原君?と言ったかな?私と山下が泊まっている近くのホテルは調べたかい?


いえ。まだです。


調べた方が良い。おそらく誰か居なくなっている。客か、それとも従業員か。


何故分かるんです?


私がホテルを出てくる時、少し落ち着きがなかったからね。


もしかして、この男はそのホテルから居なくなった男ということですか?


う~ん。居なくなったのは、犯人の方かもしれない。とにかくホテルを調べると良い。


中田と保原は言われるままホテルを調べに行った。すると、宿泊客の男が行方不明となりホテル館内を調べていたところだった。警察であることを伝え、ホテル内を落ち着かせ、宿泊客で他に行方不明者はいないか、そして、従業員にも行方不明者はいないか尋ねた。宿泊客はその男1人だけだった。従業員は、シフト終わりや交代で、今ホテル内に居ない者を中心に調べた結果、連絡が取れない者が1名浮上した。


保原が報告をする。


ホテルを調べたところ、現在、連絡が取れない者は2名。宿泊客の戸渡圭吾、48歳。従業員の加納俊二48歳。2名は昨日までホテルに居ました。加納は本日休暇となっていますが、電話しても出ません!


山下が報告を受け、全体指揮を取る。


では、科捜研の報告はまだだが、加納を調べる。行方を追え。


捜査一課全員が捜査に回る。山下と家路、保原と中田が現場に残った。


今回は比較的早く終わりそうだな。


...ん。ああ。そうだな。


保原と中田は2人の姿を見て、既に犯人を捕まえたかのような安心感に包まれていた。

中田が家路に質問する。


あの、家路さん。何故ここまで早く全体を動かせたんです?


動かしたのは山下だ。まだ早い気がするが、間違いではないだろうから。今のところ状況証拠だけだけど、さっきホテルを出る時に少し従業員に聞いたんだ。何を騒いでいるのかをね。すると、戸渡という男が行方不明だと分かった。警察の者ではないから、昨日の集団客の1人だろうと考えた。

そして、従業員がもし連絡が取れていないならその従業員が怪しいとなるのは当然じゃないかな?


間違いではない、という言い方が気になりますが?


まぁ、そのうち分かるさ。



科捜研の報告が上がった。男の遺体は戸渡圭吾本人で間違いないという確認が出来た。


保原君。君に頼みたいことがある。


家路が保原を呼んだ。保原は話を聞き、言われるまま車に乗って何処かに行ってしまった。


さて、中田君。ここまでで、大体分かってきたね。あとは保原君の報告を待てば、この捜査は終わりだ。


そう言って家路は、第一発見者の佐々木と談笑し始めた。昼飯の場所探しだろうか?

中田は1人、考えを整理していた。

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