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第一章;勇者と聖女と騎士と、それから…(続き)

翌朝、勇者たちの冒険がいよいよ始まった。

最初の目的地は、エリシオン王国から東に進んだ森の中にある「聖剣の祠」だ。そこに眠る聖剣を手に入れることで、勇者としての力が本格的に発揮されるのだという。


旅の序盤、勇者は地図を見つめながら歩いていた。


「聖剣の祠ってどんな場所なんですか?」


勇者の問いにリリィが答える。


「聖剣はこの世界に存在する唯一無二の武器です。代々の勇者がその力を得て挑みました。ただ、祠を守る魔物たちが強力なので注意が必要ですよ。」


「魔物…か。」


勇者は少し不安そうな表情を浮かべた。少し前までは鉛筆しかまともに握ったことがない、なんなら喧嘩なんてものもまともにしたことがないのだ。彼はまだ自分が戦える自信を持てずにいた。



旅が始まって数日が経った。深い森の中、リリィがふと足を止めた。


「……気を付けてください。近くに魔物の気配がします。」


その言葉にガルスが剣を構える。


「全員、準備を怠るな。」


勇者もあわてて腰に下げられた剣を手に取ったがその手は緊張で震えていた。森の奥から低い唸り声が響き、赤い目を光らせた魔物が姿を現した。それは体長2メートルを超える巨大な狼、「シャドウウルフ」だった。


「……嘘だろ、こんなのと戦えっていうのか?」


勇者は青ざめながら思わず後ずさる。しかし、ガルスが一喝する。


「怯むな、お前は勇者だろうが!」


ガルスが盾を構えて魔物の前に立ちはだかる。シャドウウルフは低く唸り声をあげるとガルスに飛びかかった。


「ガルスさん、大丈夫ですか。」


勇者が叫ぶ中、ガルスは冷静に魔物の動きを受け流しながら反撃の機会を窺っていた。一方でリリィは勇者に向かって叫ぶ。


「勇者さま、後ろから援護をお願いします!」


「援護って……どうやってやればいいんだよ⁉」


勇者は剣を握りなおしたが、足がすくんでまともに動くこともできない。目の前で繰り広げられる戦闘に圧倒され、自分が手をだしていいのかもわからないままだった。


その時。シャドウウルフがガルスの防御を突破し、勇者へ飛びかかった。


「うわっ!」


勇者は慌てて剣を振り回したが、まるで当たる気配がない。魔物の爪が彼の肩をかすめ、鋭い痛みが走る。


「くそっ、俺には無理だ!」


膝をつく勇者、その瞬間、リリィが魔法を発動した。


聖光ホーリーライト!」


眩い光がシャドウウルフを包み込み、魔物は苦しそうに呻きながら後退する。すかさずエリスが魔法を打ち込みガルスがとどめの一撃を放った。魔物はまもなく動かなくなる。


「……終わったか。」


ガルスは息を整えながら剣を納める一方、勇者は肩を押さえながら地面に座り込んでいた。



もしよろしければ、




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をしたうえで、本作を読み進めていただけると幸いです。


どうぞよろしくお願いいたします!

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