第14.5話(麻里編):「その他」専門について
性能テストって、本当に私の体をボロボロにするわね。
毎日、調査レポートを即時に提出しなきゃいけないなんて。一部の先生が言うには、この生活が一年間続くらしいわ。
でも、ポジティブに考えれば、あと一年我慢すれば普通の生活が送れるのよ!
それに、樹雨くんと話せるようになるために、私はずっとずっと努力してきたんだから。
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私が中学三年生に進級するはずだった年、家族は未曾有の財政危機に直面した。
姉と妹、両親と一緒に住む五人家族。もともと出費が大きい家庭だったけれど、ある日詐欺グループに騙されて銀行口座の全財産を失った後、生活は一気に苦しくなったの。
父も母も小さな会社で働く普通のサラリーマン。給料も高くないから、私たちは節約して生活するしかなかった。
それでも、私が大好きな作家さんと同じ学校に通いたいという気持ちは変わらなかったから、志望校を神戸高校に設定したわ。
しかも、「特別異能クラス」に入れば高額な奨学金が支給されるし、飛び級入学も大歓迎だという話を聞いて、試しに応募してみることにしたの。
「ダメでもともと」と思いながら応募書類を提出したら、学校から面接の案内が届いた。
そして、驚いたことに、面接の翌日には合格通知が来たのよ。
こうして、私は中学三年生を飛び級して高校に進学し、1年β組での新生活が始まった。
あの、秘密裏に人間実験を計画していると言われるクラスでね。
最初から薄々気づいてはいたけれど、このクラスの生徒たちは皆、普通の人間とは違う特別な脳の性能を持っているようだった。
優れた記憶力、卓越した計算能力、さらには脳内で科学実験を行い、正確な結果を導き出せる人までいるの。
ある日偶然手に入れた研究報告書には、私の周りにいる「賢い」人たちは人類進化の一つの形だと記されていたわ。
研究者たちは人類の進化の方向性を深く理解するため、このクラスを通じて実験対象を募っているらしい。
もちろん、私もその「実験対象」の一人として見られていた。
彼らは私に「思考解読」の能力があると言っていたけれど、それは少し「読心術」に似ているらしいの。
私はずっと、他人の微妙な表情や声のトーンから考えていることを理解するのは、誰にでもある普通のスキルだと思っていた。
いわゆる「空気を読む」ということだと思っていたけれど、最近になってそれが単なる勘違いだと気づいたわ。
「空気を読む」だけでは他人の具体的な思考を読み取ることはできない。ただその場の感情を察するだけ。
でも私の場合、それ以上の情報を自然に引き出してしまうらしい。
β組での日々は本当に過酷だった。
観察や問答、脳波図の記録など、毎日が実験尽くしで、頭が休まる暇がない。
一日中、まるで実験室にいるような環境にいると、本当に気が滅入るわ。
実験が長すぎてやりたいことを奪われるし、本来神戸高校に進学した理由も叶えられなかったの。
幸運なことに、一年が経過した時点でクラスの転籍申請が可能になったわ。
しかも、この実験への貢献のおかげで、高額な奨学金も受け取ることができた。
代わりに、学校から実験内容に関する守秘義務契約への署名を求められたけれど、まあ仕方ないわね。
そして、樹雨くんがこの高校に入学した年、私は1年Z組に無事転籍したの。
普通の手段で「特別才能クラス」に入らなかった生徒は、「その他」の専門に振り分けられるの。
考えてみると、私以外に「その他」の専門にいるのは坂本久隆だけ。でも、β組では彼のことを見た覚えがないわね。
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新学期の初日、新鮮で自由な空気を胸いっぱいに吸い込みながら、新しい担任の古久保幸子先生が壇上で学校の注意事項を話しているのを聞いていた。
「先生の話はもう何度も聞いてるわ。だったら、このクラスにはどんな可愛いクラスメートがいるか見てみようかな!」そう思いながら、周りを見回した。
「やったー! 退屈な学科から解放されるなんて最高だ!」
わぁ~、あの人、すごく元気そう!絶対体育の専門の生徒ね。
脚の筋肉や腕の痣を見てみると、彼はバレーボールの「リベロ」じゃないかしら。
「え?リベロって何?」自分の中に湧いてきた疑問に驚いた。
面白いのは、時々私の頭に見たこともない専門用語が勝手に入ってくること。まるで、どこからともなく流れてくるみたい。
「え?あれは……」
あの活発そうな少年の隣に座っているのが、私がずっと気になっていた人。
お昼ご飯の時に話しかけてみよう!




