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84.最強とは他人にペースを乱されない事だ!

東区では爆音と共に建物が崩れていく中


『おおー!派手にやってんな!早く見に行こうぜフーコ!』


『ちょっと待ってよぉ!何で屋根を飛び回るのよ!』


『屋根を駆け回るの楽しいからだ!あと強敵と戦ってる奴等を高みから見物したくね?』


『むむっ!なんか良いわね!ミウさんがやられたら私の出番って訳ね!』


『お前が行ってもバラバラにされんだろ』


『ポンチの時はお腹空いてて本気が出せなかったのよ、今は魔剣も手に入れて女魔剣士にジョブチェンジした私なら楽勝よ!って!?きゃあぁぁぁっ!?』


胸を張りドヤ顔をするとフーコはバランスを崩して屋根から落ちていった。下を見てみると頭が潰れたトマトの様になったフーコがいた。


『おぇぇっ、フーコは俺にトラウマ植え付けたいのか?神様はアイツにモザイクかけてくれよ』


俺の声が届いたのかフーコの頭にモザイクがかかった。


『ぶふっ!?戦っても無いのに死んだ挙句にモザイクをかけられる女魔剣士がいるぞ』


笑っていると復活したフーコが下で騒いでいるが爆音と土煙が巻き起こりフーコの姿が見えなくなった。


『アンタこんな所で何してんのよ!遊んでないで手伝いなさい』


振り返るとユーリがイケメンと戦っていた。


『悪魔って女じゃないの?お前こそ何やってんの?』


『あの悪魔、Sランク冒険者を4人も魅了してやがったのよ!男ならアンタでもやれるでしょ!』


『お前ってSランクにも勝てないの?どうしてもって言うならやるけど・・・それで良いの?』


ニヤニヤしながらユーリに言うと鬼の形相に変わり怒鳴り始めた。


『私がSランク程度に勝てないですって?やってやろうじゃないの!』


ユーリは男の鳩尾に肘を打ち込み吹き飛ばすと男を追いかけて行った。俺は道に降りてフーコを探すとモザイクを見つけ復活するのを待つ事にした。


『モザイクのお陰ですぐに見つかるな、しかしコイツはすぐに死ぬな・・・』


『油断しただけよ!私の力が覚醒する日は近いわ!』


モザイクが動き出し妄言を吐き始める。


『モザイクで動くな!大体さぁ、死なない奴が覚醒する事態に陥る事あるの?』


『!?・・・確かに・・・って事は私は覚醒しないの!?』


モザイクは地面に倒れ込みモゾモゾと動いていた。


『モザイクが動いてるとなんか怖いな』


『そうなの?私は少し楽しくなって来たわ!』


モザイクは立ち上がるとクネクネと動き始める。


『何この人?底が見えないんですけど』


俺は転生して初めて人に恐怖した、この女は俺より異世界を楽しんでいる事に・・・俺が敗北感を味わっていると上から何かが落ちて来て土煙が視界を遮る。


『おわっ!?お次は何だ!?フーコ生きてる?』


『死んでたら返事出来ないわよ!人っぽいのが落ちて来たから気を付けてね』


土煙が薄れていくとミウさんが倒れていた。


『ミウさんがやられたの?特級冒険者なのに』


俺はミウさんに回復魔法をかけて話を聞く。


『ギルマスも魅了されてたみたいでねぇ、不意打ち喰らっちゃってこのザマよ』


『ふふんっ!ついに私の出番ね!私の魔剣が血を求めているわ!あいたぁ!?』


フーコは剣を舐めようとしたのか自分の舌を切り落とした。


『悪魔よりお前の方が怖いんだけど!?』


『ふぁふぁしにかかれば悪魔なんてイチコロよ!』


俺はフーコを無視する事にして悪魔の居場所を聞く事にした。


『それでミウさん、悪魔は何処に?』


『中央区に向かったわ、あと切り札を出すとか言ってた』


『切り札?Sランク達じゃないの?』


すると突然都市外に凄まじい魔力を感じ地面が揺れる。

揺れが止まると都市を囲む高い壁を越える大きな人が現れた。


『超大型出現!総員戦闘体制!』


『デカ過ぎるっ!兵長を呼べ!』


『嘘でしょ・・・巨人族まで魅了してたの・・・』


ふざけている俺達とは裏腹にミウさんは絶望していた。


『あのデカい奴そんなにヤバいの?』


『大昔の戦争で恐れられた種族よ、私じゃあ相手にならない』


『私もあんなデカい相手と戦っても目立てないから嫌よ』


『いやいや、目立つだろ!倒したら英雄になれんだろ!』


『私の華麗な動きが見えないでしょ?観客も少ないし気が乗らないわ』


『言い方が腹立つ!すぐ死ぬ癖に!』


『なにおぅ!私がデカブツ相手にビビビ、ビビってるって言うの!?』


フーコをよく見ると膝が笑っていてズボンが濡れていた。


『ビビりまくってんだろ!漏らしてるし!』


『漏らして無いわよ!強敵の出現に興奮してるだけだよ!』


『それはそれで駄目だろ、はぁ、俺がやるからその魔剣貸せ』


『えぇ〜、私が苦労して手に入れた魔剣なのにぃ?』


『ポンチから奪っただけだろ!すぐ返すから貸せよ!』


フーコは渋々魔剣を俺に渡す。


『壊さないでよね!その魔剣結構気に入ってるんだから!』


『ラッキー君!?駄目だ!巨人族と戦ったらただでは済まないわ!』


俺は魔剣を握りニヤリと笑いミウさんの方を向く。


『すぐ終わるから大丈夫だよ、じゃあ行ってくる!』


俺は膝を曲げ巨人に向かって思い切りジャンプして剣を巨人の頭から思い切り振り下ろす、巨人はすぐに真っ二つになり絶命した。それを見ていたミウとフーコは呆然と巨人の最後を見ていた。


『アイツってあんなに強いの・・・』


『ラッキー君って何者なの・・・?』


帰って来たラッキーは機嫌がとても良さそうだった。

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