60.最強とは毛深い奴にも友好的な事だ!
毛むくじゃらが喋るとは思わなかったので会話を試みる事にした・・・カインが
『ワタシタチハセイトニカエリタイノデスガ、ミチアンナイデキマセンカ?』
カインは何故か変な喋り方で話すので拳骨喰らわせて俺が話す事にした。
『俺達は転移させられてここに来ちゃったんだけど聖都に行くにはどっちに行けば良いか分かるか?』
『聖都は南の山を越えた先にあった筈だからあっちの方角だな、真っ直ぐ行くと氷獄竜の巣があるから飯の礼に俺が案内するぞ?』
俺は毛むくじゃらの提案に乗り案内してもらう事にした。
『じゃあなカイン、生きてたら聖都で会おうぜ』
カインは俺の足に縋り付く。
『しれっと置いて行こうとしないで!連れて行って下さい!』
『お前達は騒がしいな、おっと名乗るのを忘れていたな、俺はここ氷海に住んでいるサムッグだ』
『氷海?ここって海なの?』
『大昔に海の上にあった国を氷獄竜が襲って出来たそうだ』
『氷獄竜ってそんなにヤバいの?』
炎獄竜の娘は頭の悪い食いしん坊なんだけど、怖いなら会わなくて良いかな、しばらく歩いていると雪が降り始める、するとサムッグが慌てて指示をする。
『身を屈めて隠れるぞ!早くしろ!』
俺達は氷の影に隠れて様子を伺う、雪の勢いがどんどん強くなり空に竜が現れた。
『最悪だ、何でここに氷獄竜が来るんだ』
氷獄竜は氷山の上に降りて何やら喋っていた。
『ここら辺で忌々しいフレイアの匂いがしたんだけど居ないわね・・・でも匂いが強くなった隠れてる?』
俺のせいだったんだけど、俺ってフレイアの匂いがすんの?話し合いで解決した方が良いのか?忌々しいとか言ってる奴相手に?
『サムッグ、アイツは俺の事探してるみたい何だけど話し合いで解決出来ると思う?』
『はぁ?話し合いが出来るならコソコソ隠れるなんてしないんだよ、それより何かしたなら姿を現すのは悪手だ』
『出て来ぉーーい!!!フレイアーー!!!出て来ないとお前の恥ずかしい秘密バラすぞぉー!』
『済まんサムッグ、もう少し待ってから俺だけ出て話す事にする、お前達は上手い事離れておいてくれ』
フレイアの秘密を聞けるなら中々の戦果だな、俺は氷獄竜がフレイアの秘密を話すまで待機する。
『分かったが戦闘になった場合は助けられんからな?』
『何ならカインも囮にして良いからサムッグは生き延びる事だけ考えてくれ』
『サムッグさん、俺も死にたく無いんで親父を見捨てて先に行きませんか?』
2人が離れて行くのを確認していると氷獄竜がフレイアの秘密を暴露し始めた。
『フレイアは10年前までおねしょをしてましたぁー!』
『ぶふっ!』
俺は思わず吹き出してしまった。
『そこか!出て来ないとブレスで氷漬けにするぞ!』
俺は観念して氷獄竜の前に出る。氷獄竜は俺を見ると首を傾げる。
『何だお前は?む、フレイアの匂いはお前からしているな何者だ?』
『えっと、フレイアと契約して主になったラッキーって言います』
『え?今なんて?ちょ、ちょっと待ってろ人化するから』
氷獄竜が光を放つと俺の目の前には青いドレスに青い髪の清楚系美人がいた。
『アンタの方がフレイアより美人だな』
『見る目がありますね人間!だがアンタと呼ぶのはやめろ、私の事はオーロラ様と呼びなさい、それでお前がフレイアの主って本当なの?』
『フレイアがいれば証明出来るんですけど転移させられて今は別行動何ですよ』
『嘘は言ってなさそうね、連れて行ってあげるからフレイアに会わせなさいよ』
『もう1人居るんですけど大丈夫ですか?』
『人間が1人増えたところで変わらないわよ』
『おーい!カイーン!オーロラ様が聖都まで乗せて行ってくれるってぇー!出て来ないと置いて行くからなー!』
少しすると声が聞こえたのかカインとサムッグが恐る恐るやって来た。
『本当に氷獄竜と話し合ったのか?お前は今まで出会った奴の中で1番イカれた男だ』
『サムッグ?それ褒め言葉じゃないよね?案内してくれるって言ってくれてたけど悪いな』
『気にするな、楽に帰れるならそうした方が良い、山越えはキツいからな』
『親父?マジで竜に乗って帰るんですか?食われたりしませんよね?』
『お前なんか食ったら腹壊すわ!連れて行ってくれるって言ってんのにオーロラ様に失礼な事言うなよ』
『ラッキーよ、さっさと乗れ!』
俺達はオーロラに乗ると空に舞い上がる、俺はサムッグに手を振るとサムッグも手を振り返してくれた。
『サムッグー!またなー!落ち着いたらまた来るからー!』
『おーう!その時はここの料理を食わせてやるぞー!』
そして俺達は山を越えて聖都へと向かうのだった。
その頃ユーリ達はというと聖都のカブローの店で食事をしていた。
『うまっ!なんじゃこれは!?美味すぎるぞ!クリスのも寄越せ!』
『あっ!もうっ!フレイアさんは自分で頼んで下さいよ!』
『テンドンって言うのも美味しいわよフレイア』
『本当か!?カブロー!テンドンもくれ!』
『はいはーい、レイさんテンドンをフレイアさんに持って行って下さい』
白髪の綺麗な女性が天丼をカブローから受け取り運んで来る。
『お待たせしました、テンドンです』
『うむ、感謝する』
すると店の扉が勢いよく開かれ2人の男女がフレイア達を睨みつけていた。それに気付いたフレイアが声を掛ける。
『おおっ!我が主と・・・誰だお前は?』
オーロラから何かが切れる音がした。
『フレイアーーーーーーー!!!!!!』
この時聖都では氷獄竜の威圧で多数の気絶者が出たのであった。




