50.最強とは・・・時間を止める魔法って男の夢だよね!
『時の悪魔?つまりお前は時間を操るのか?止めたり戻したり?最強じゃん!』
『何故まだ貴様は動けるのだ!?時間停止している筈だ!』
『え?今時間停止してんの?俺動けるんだけど?』
『私が聞いているんだ!貴様を相手にするのは危険なので私は退散させて貰う』
悪魔はトボトボと歩きながら俺から逃げようとしたので後ろから思い切り頭を殴りつけた。
『テメェ!歩いて逃げるとか舐めてんのか!?』
『ぐべっ!?そうだ貴様には時間停止が効いてないんだった!これならどうだ!』
視界が歪み元通りになると火の玉が飛んで来た場所に戻っていた。
『あれ?あの建物って壊れた筈なのに、時間も戻せんのかあの悪魔!時間を止めたり戻したりって羨ましいぞ!』
悪魔が近くに居ない事を確認した俺はユーリ達の元に向かった。
『フレイア!お前ボロボロじゃん、回復するから待ってろ』
回復魔法を使うとフレイアの傷は治り立ち上がる。
『すまんな主よ、悪魔が厄介だとは聞いていたがあれ程とはな』
『私も悪魔の動きすら見えなかったわ、役に立たなくてごめん』
『あの悪魔は時間を止めたり戻したり出来るみたいだから次会ったら即排除するよ』
『アンタ、あの悪魔に会ったの!?良く無事だったわね』
『何故か俺には時間停止が効かないらしくてさぁ、時間を戻されて逃げられたんだよ』
『何それ?アンタも悪魔も滅茶苦茶過ぎるでしょ』
『だが主しか悪魔に対抗出来ないとなると面倒だぞ?』
『でも巻き戻しは効くのよね?問題はそこじゃない?』
『いや、巻き戻しは分かってれば問題にならないぞ?お前達はあっちで建物が崩れたり凄い魔力を感じた記憶あるか?』
俺は悪魔と戦った場所を指差す。
『無いわね』
『妾も無いぞ』
『お前達は巻き戻った時間の記憶が無くなってるのか、俺は覚えてるんだよね、多分悪魔もそれを知らない』
『つまり悪魔は主が時間を操る事を忘れていると思ってるという事か?だがリアは突然消えると言っていたが』
『それは巻き戻せる時間に限界があるか巻き戻しするとマズい状況だったからだと思わないか?』
『つまりは巻き戻ししても駄目な状況にするって事?』
『暗殺すれば良いんだよ』
俺は簡単な話だと言わんばかりに胸を張る。
『会話の流れって知ってる?会話から作戦考えてた私が馬鹿みたいになってるわよ』
ユーリは呆れて言葉を返す。
『やられる前にやれって立派な作戦だろ?』
『戦いの基本だな!』
フレイアは力強く頷いている。
『じゃあ悪魔に気づかれずに見つけないと駄目ね、結構難しいわよ?』
『あぁ、それなら悪魔が巻き戻しをちょくちょく使ってるから魔力で居場所は分かる』
『悪魔は計画通りに進める為に巻き戻しを使ってる?この話し合いは何度目なの?』
『4度目だな、今回は大丈夫そうだからお前達は避難所の護衛をしててくれ、俺が終わらせて来る』
そして俺は今眉毛を太く書き、悪魔を魔力弾で狙撃してみたかったので寝そべって悪魔を狙っている。
『くくく、狙撃で強敵を撃ち殺すなんて1度はやってみたかったんだ』
俺は魔力を溜めて魔力弾を撃ち込む、直径30メートル程の魔力弾は射線状の建物を壊しながら悪魔へと向かう。
『デカ過ぎた!うわぁ〜めっちゃ壊してくよ、一般人いなよな・・・あっ!悪魔の奴、気付いて避けやがった!』
魔力弾はそのまま進み城を半壊させた後、後ろの山を抉った。
『戦果無しで被害甚大だと死刑になんのかな?』
悪魔を討伐して罪を被せる事にした俺は悪魔を探す。
見つけた悪魔は攻撃して来た者を探してる様子だった。
『何なのだ、あの魔力弾は!?特級冒険者はまだ帰って来ない筈だ、だとすると先程の男か?俺の記憶は無い筈だが悪魔を探していたからな奴の居場所は把握しなければ』
俺を探している悪魔に気配を消したまま近づいて行く。
悪魔が反対側に視線を送ったのを確認した俺は魔力を拳に込めて悪魔の後頭部に思い切り叩き込む。
予定だったが見えない壁に阻まれる。パンチの衝撃で辺りの建物が崩れる。
『何だこれ!?』
『ふははっ!私の周りに時間を止めた結界を張ってあるのだ!時間停止が効かない貴様の為に思い付いた最強の盾だ!』
俺は距離を取り魔力弾を放つが結界は壊れない。
『ぐぬぬ・・・卑怯者め!正々堂々と戦え!』
『貴様から不意打ちして来たのに卑怯者とは何だ!貴様はジワジワと嬲り殺してくれるわ!』
俺は必死に作戦を考えるが思い付かない、対抗策が無い俺は気配を消して撤退する事にした。
『なっ!?何処へ行った!?くそっ!マーキングもしてないのに面倒な!』
『絶対お前をぶっ殺して罪を被せてやるからな!あばよ〜』
『罪を被せる?貴様は何を言っている!?なんか怖いんだけど!?』
俺はユーリ達と合流して結界について聞く事にした。
帝都もまだ争いは続いていてあちこちに兵士が倒れている。
『はぁ、何処の世界も争ってばかりだなぁ、仲良くすれば良いのに』
走り抜けようとしたら瓦礫の中から微かに声が聞こえる。
『た・・・たす・・・けて・・・』
俺は声のした瓦礫を退かすと同年代ぐらいの子が埋まっていた。回復魔法をかけると安心したのか意識を失った。
『男を助けるのは嫌なんだが仕方が無いな』
俺は少年を背負い避難所まで連れて行く事にした。
避難所に到着した俺は近くの人に話し掛ける。
『あの〜、ここにユーリかフレイアって女の子が居ると思うんですけど居ます?』
『おおっ!?君はあの子達の仲間か!?その子は気を失ってるみたいだな、おーい!救護班来てくれ!』
俺は救護班の人に背負っていた少年を渡してフレイア達の元へ案内して貰うのだった。




