37.最強とは挨拶を忘れない事だ!
俺達はエルフが作った休憩所で泊まり今は片付けをしていた。
『だから子供が現れて俺の髪の毛引っ張って遊んだ後消えたんだよ!』
『夜の大森林で子供1人でいるわけないでしょ!アンタの寂しさが生んだ悲しい幻覚よ』
『う〜ん・・・でも髪引っ張られた感触はあったんだよ、幻覚なのか俺のカウンセリング頼みたいんだけど』
『主よ、もしかしたら精霊共に遊ばれたのかもしれんぞ?』
『精霊様は悪戯好きだからなぁ、でも人型の精霊様って上位精霊ぐらいだよ?名前付けたなら呼んだら出て来るかも』
エルクは精霊に興味があるのか『呼んで呼んで』とせがんでくる。
『マリモー!出て来ーい!』
すると俺の髪を引っ張られる。
『私マリモー!お兄ちゃん遊んでくれるのー?』
『うわっ!?本当に出て来た!?ねぇエルク、この子が精霊なの?』
『だ、大精霊様!?お姉ちゃん大変!大精霊様がここに居るよ!?』
エルクは慌ててロッテさんを呼ぶ。
『これって俺がなんかやっちゃった感じ?前より成長してるんだけど』
『大精霊様とか言ってたからやっちゃったんじゃない?』
『此奴は凄い力を持っておるぞ?手下に加えるのか?』
『フレイア様、大精霊様はこの森を守護されているので勘弁願いたい』
『大精霊様?精霊殿に戻りましょう、皆が心配してますよ?』
『いやー、お兄ちゃんと遊ぶー』
エルクが説得しようとするがマリモは聞く耳を持たなかった。
『どうせ里に行くんだからマリモも連れて行けば良いじゃん?』
『うーん、しょうがないけどそうしようかお姉ちゃん?』
『そうするしか無いだろうな、とりあえず里へ行こう』
そして俺達は片付けを終え里へと向かった。里は到着すると歓迎された。俺以外は
『何なの?俺って毎回牢屋に入れられる運命なの?しかもパンツ一丁ってさぁ、聞いてるのエルク?』
『今お姉ちゃんが誤解を解いてるから我慢してよ、消えた大精霊様がラッキーに誑かされたと思ってるんだよ』
俺達が里に入ろうとした時、俺は突然押さえつけられ牢屋に放り込まれたのだ。
『誑かすって何だよ、どうしようがマリモの勝手だろ?お前達ってマリモに依存しすぎじゃね?』
『耳が痛いねぇ、エルフが生きていけているのは大精霊様のお陰だから皆不安になっちゃうんだよ』
『服まで取られて誤解でしたで許せると思うの?俺はそこまで良い人では無いんだけど』
『そこは私に免じて許してよね』
エルクがウィンクしながら言っているのがイラッとする。
『大体何でユーリはもてなされてんだ!アイツらも仲間だぞ!絶対許さねぇからなエルフ共!』
『ラッキー悪者みたいになってるから!里の人達怖がらせないでよ!』
『今悪魔が襲って来たら悪魔の事応援すると思う』
『里の皆、悪魔の事聞いてからピリピリしてるから変な事言うのやめてよね?』
だが俺が1番気になったのは先客の事だった。
『この人は何やって捕まってんの?隅っこで泣かれていると話しかけて良いか迷うんだけど』
『その人は怪しかったから捕まえたんだってさ』
エルフってとりあえず牢屋に入れる風習とかあるんだろうか。俺は牢屋仲間と仲良くしてあげる事にした。
『なぁアンタも元気出せよ、俺も悪い事してないのに捕まったんだよ』
シクシクと泣いていた青い髪のパンツ一丁の男は俺を見る。
『お前も我は手下を増やそうと動物達を探していただけなのにエルフ共め!』
『その気持ち分かるわ〜、本当エルフって酷い奴等だよなぁ〜』
『おおっ!分かってくれるか!貴様の名は何と言う?我の友と呼ぶに相応しい男だ!』
『俺はラッキーって呼んでくれ、アンタの名前は?』
『我は大悪魔ビースト!ラッキーよよろしく頼むぞ!』
大悪魔と大声で名乗ったのでエルクがいつの間にか消えていた。
『ビーストって悪魔なの?人とあんまり変わらん見た目だな』
『悪魔は皆、人と変わらぬ姿をしておるぞ?違う所と言えばそれぞれの悪魔には特殊な力があるぐらいだな!』
『特殊な力?不死身とかか?』
『不死身の者もいるぞ魔大国で魔王に封印されたらしいが、我の力は魔獣達を使役し操る能力だ!凄いだろ?』
おいおい、コイツ自分の能力語り始めたぞ。しかし不死身の悪魔ってどうやって倒すんだ?
『我は大精霊を消し去り魔獣達にエルフ共を襲わせる筈だったのだが奴等は思った以上に馬鹿で怪しいからと牢屋に入れられたのだ』
『悪魔って強いんだからさっさと脱走すれば良いのに・・・何でしないの?』
ビーストは俺の言葉を聞くと雷に打たれた様な表情になる。
『ラッキー!流石は我が友だ、悪魔的発想に感動すら覚えたぞ!』
『え?マジ?褒められると嬉しいからもっと褒めて良いぞ?』
『それはエルフ共を根絶やしにした後にしよう、我は外で準備しなくてはならない、さらばだ友よ!』
すると牢屋は吹き飛びビーストはいなくなっていた。
残された俺はエルフ達に押さえつけられ、木に吊るされることになった。




