28.最強とは交渉も出来る事だ!
人化したドラゴンは酷いものだった、赤い髪に赤いドレスまでは良いとしようだが丸かったのだ、遠くから見たらダルマに見間違う程に・・・
『あのさぁ?ドラゴンが人化したら美少女になるのがお約束でしょ?』
『貴様は何を言ってる?何処からどう見ても美少女だろうが?』
猫型ロボットみたいな体をしたドラゴンが何か言っている。
『いやいや、無理があるからね?俺の他にも人がいたら君、殴られても文句言えないよ?』
『もしや貴様は妾の美しさに照れておるのだな?』
殴りたかったが踏み止まる、俺は母ちゃんに女の子は殴らないと誓ったのだ、あの時の母ちゃんは本当に怖かった。
『ふぅーっ!ラッキー落ち着け!冷静にだ!』
『何故拳を抑えながら震えておる?駄目だぞ?妾がいくら可愛いからといって押し倒そうなど思うなよ?』
殺意さえ湧き上がって来た。だが俺は耐える俺は最強なのだと言い聞かせて冷静さを取り戻す。すると俺達の背後から声が掛けられた。
『おい、お前達ここにドラゴンがいるって聞いたんだが何処にいるか分かるか?』
大きな斧を背中に担いだ綺麗な女性だった。赤く長い髪を後ろで結びポニーテールにしたスタイル抜群の女性だ。
『おいドラゴン!あれが美少女って言うんだよ!分かったらあんな感じに人化しろよ!』
『何を言ってる?人化は本来の姿をそのまま人の姿に変えるものだからこの姿こそが妾の人の姿なのだ!』
『ドヤ顔うぜぇんだよ!つまりお前が痩せれば良いって事か?デブが痩せると美人になるパターンか?』
俺達は2人で話しているとイラついた感じで美少女が俺達の会話を断ち切る。
『今その服着たトンコッツがドラゴンって言ったか?』
『誰が服着たトンコッツじゃ!小娘の分際で!』
『ぷぷっ!やっぱりトンコッツに見えんだよ、俺の相棒になるなら痩せろよな!』
斧姉さん(仮)は話が進まないと思ったのか背中の斧を手に持ち構える。それを見ていた俺は襲ってくるパターンだと判断し話し合いに持ち込もうと動く。
『お姉さん、ちょっと待った!このドラゴンは暴れる気は無いんだよ!俺とお喋りしてるのが証拠だ!』
『あのさぁ、少年?ドラゴンってのはそこにいるだけで脅威の対象になるんだよ、馬鹿な奴が手を出して滅んだ国さえある、それを見逃せと?』
斧姉さんは斧を肩に乗せ溜め息混じりに説明する。
ここで引き下がったらバトル開始になるだろう。
『コイツを俺の相棒にしたいからお姉さんも説得するの手伝ってよ!』
『少年はドラゴンと契約する気なの?正気とは思えないわね』
『おい!貴様!何を勝手に話を進めている!妾は貴様の相棒になどならんわ!』
斧姉さんの戦意を削いだと思ったら豚竜の言葉で振り出しに戻される。俺は斧姉さんに少し待っててもらい豚竜と肩を組み小声で会話する。
『お前な!お姉さんを上手い事丸め込めると思ったのに台無しじゃねぇか!』
『知らん!妾があの小娘を殺せば終わりだろうが!』
『落ち着け豚竜、お前が俺の相棒になれば全てが丸く収まるんだよ!じゃあこの書類に名前と認印をだな』
俺は契約の仕方が分からないので手書きの契約書を作ってあったのだ!平仮名で書かれた契約書をドラゴンに渡す。
『何だこれは?契約は神の名の下に交わされたものだぞ?』
ドラゴンは渡された契約書をあっさり破く
『うわーっ!俺が10分ぐらい掛けて作ったのにー!テメェ何してくれてんだ!だったらお前が契約の仕方教えろよ!』
『ふふんっ!契約とはこうやってこうするとだな』
すると俺と豚竜の周りが光に包まれた。
『これで契約完了じゃ!あぁぁぁぁぁぁっ!?』
『ヒャッハー!ドラゴンチョロすぎ!俺の勝ちー!』
『貴様ー!騙しおったな!?契約解除じゃー!って何で貴様が主なのだ!?強い方が主になるって書いてたのに!?』
一部始終を見ていた斧姉さんは驚愕していた。ドラゴンと契約なんて伝説上の物語でしか無いのだ。それが目の前でアホみたいなやり取りで行われたのだ。
『嘘でしょ・・・ドラゴンと契約するなんて・・・』
俺は頭を抱え絶望している豚竜を無視して斧姉さんに再度交渉する。
『契約したんで安全ですよねぇ?どうなんですかぁ?』
『ぐっ、確かに契約したら主人に逆らえなくなるけど・・・次は少年が脅威の対象になったんだけど?』
『・・・えっ?何で?』
『少年の命令でドラゴンが敵になるんだよ?少年がそんな事考えて無くても周りは違うんだ』
言われてみればそうだなと感心していると豚竜が絡んでくる。
『はっはっはっ!貴様が死ねば妾は自由だ!小娘よ、コイツは危険じゃ!早く殺せ!』
『テメェ!主人のピンチに何言ってやがる!?・・・しょうがないけどアリス様に相談するか〜』
斧姉さんがアリス様の名を出すと反応する。
『少年はアリスちゃんと仲良いのか?』
『仲良しって言うか世話になってる感じだな』
『なら私も着いて行くからアリスちゃんの所へ行くよ!名乗り遅れたね、私は特級冒険者のクレアだ、よろしく!』
そして俺と豚竜とクレアでアリス様の元へ向かう事になった。




