11.最強とは暇を嫌うものだ!
〜翌日〜
俺はギルドへ行こうとしたが雨が降っていたので出掛けるのをやめた。マリーはエイラさんと仕事の仕方を教わりに、ハンスはというと朝ロメオがやって来て一緒に訓練しに行った、BLに発展しない様祈るばかりだ。そして俺はというとアリス様に魔法の使い方などの本が読みたいと言ったら書庫へ案内され本を読んでいる。
『ふむふむ、魔法とは魔力を使い奇跡を生み出す力・・・どういう事?』
そう俺は実践して覚える男だ!決して馬鹿とか言ってはいけないのだ!と心の中で叫びながら悩んでいると背後から声が掛かる。
『おや、ラッキーさん読書ですか?ふむ、[猿でも分かる魔法使いになる方法]ですか、ラッキーさんは魔法が使えないのですか?』
振り返るとブライト宰相がいた。
『そうなんだよ宰相さん、本読んでも全然分かんないから困ってたんだよ』
『それでしたら魔法師団の方に頼んで指導するというのはどうでしょう?』
『それ大丈夫なの?俺って昨日騎士の人ボコったんだけど』
『安心して下さい、昨日の一件以来、貴方とハンス君は団長達に一目置かれているんですよ、では善は急げ早く行きましょう』
宰相に強引に連れられ到着した場所は魔法師団の訓練場だった。魔法師団の訓練場の周りには結界が張られているらしく雨が入ってこないそうだ。他にも魔法が外に飛んで行かない様にとからしい、宰相は爽やかなイケメンに声を掛けて暫くするとこちらに戻って来た。
『ラッキーさん、話はつきましたのであそこにいる第2師団の団長さんの所は行ってください。あの方は魔法学校で教師をした経験もあるので安心して下さい』
俺は宰相にお礼を言って先程宰相と話していた爽やかイケメンの元へ向かった。
『やぁ、君が噂のラッキー君かい?会えて嬉しいよ、僕の事はギースって呼んで下さいね』
ギースは右手を出し握手を求めて来たので握手に応じる、俺はこういう偉いのに偉そうにしないタイプの人間が嫌いじゃない。
『それでギースさんが教えてくれるって聞いたんだけど良いの?俺って魔力すらよく分かって無いんだけど』
『ふむ、じゃあ最初は魔力を感じ取る事から始めようか、僕の手を掴んで目を瞑っててね』
俺は言われた通りにギースの手を握り目を瞑る。
『今から魔力を繋いでいる手から君に送るから感じ取れたら教えてね、じゃあいくよ』
すると俺の手に不思議な感覚が伝わって来た。
『おお、何だこの感覚!?』
『それが魔力だね、次はその魔力を全身に巡らせて見て』
俺は言われた通りにやろうとしたが全く上手く出来なかった。
『ラッキー君は魔力制御が苦手みたいだね、じゃあ次は自分の魔力を使ってやってみよう』
俺は目を瞑り魔力を感じとり全身に流す、途轍も無い魔力に大気が揺れる。それを見ていたギースが興奮している。すると周りにいた魔法師団の人も、いつの間にかに俺の事をみていた。
『おおー!ラッキー君!凄い魔力だよ!世界中探してもこれ程の魔力を持った人はいないよ!』
魔力の感覚を掴むと俺は目を開き魔法の使い方を聞こうとギースに近寄る。
『次は何すれば良いの?俺は早く魔法が使いたいんだけど』
『うーん、君の魔力ははっきり言っちゃうと異常だから、暫くは個人で魔力制御の訓練をして制御が出来ている様なら魔法を教えよう、訓練場を壊されたくないしね。』
『えー、じゃあ暫く瞑想みたいな事するの?』
『ふふ、魔力制御を甘く見ちゃ駄目だよ?魔法戦において重要なのは量でも強さでも無く制御なのだから』
『ギースさん、今の言葉すげぇ格好良かった!分かったぜ!魔力制御極めとくから次魔法教えてくれよな!』
俺はギースに手を振りながら訓練場を後にし暇潰しにハンスを探す事にした。とりあえず最初に決闘した訓練場に向かう外に出ると雨は止んでいたが地面が少しぬかるんでいた。訓練場に着くとハンスとロメオが木剣で戦っていた。
『おーい!ハンスー!殴られ足りないなら俺に言ってくれれば良いのにー!』
『テメェ!変な事大声で叫ぶんじゃねぇ!』
『ふぅ、少し休憩しましょうか』
ロメオの言葉にハンスは頷きその場に座り込む。
『は〜、疲れた〜こんなに訓練したの久しぶりだ〜』
『ハンスさんは体力が無さすぎです、これから毎日誘いますので覚悟して下さい』
『うげぇ』と声をあげ大の字に寝転がる。ハンスは地面がぬかるんでいて服が泥塗れに誰が洗濯しているのかも
知らずに、
『ハンスよ、そんなに服を汚して洗濯するエイラさんが見たらどう思うのだろうな』
ハンスはガバッと立ち上がり服を見て顔が青褪める。
『ど、どうしよう、な、なぁラッキーはどうしたらいいと思う?』
『俺は知らん!自分で考えろ!そんなんだからハンスは駄目なんだ』
そして俺はロメオに話掛ける。
『所で何でロメオがハンス誘って訓練してんだ?敵同士だろ?』
『それは私がカマセーヌ様の今回のやり方が好きでは無かったんだよ、まるで騎士である私が負ける前提で策をなっていた事がね』
『でも、負けたじゃん?』
俺は率直に言うがロメオは笑顔で言葉を返す。
『そうだね、あれほど見事な一撃を受けたのは団長殿以来だよ、だけどハンス君は戦闘経験が足らない事も見てとれた、だからアリス様に頼んで一緒に訓練する事にしたんだ』
『ロメオ君はハンスより良い奴だって事が分かったな、ハンスをバシバシ鍛えて俺が冒険しに行っても大丈夫な様にしてくれよ』
ハンスは俺を睨んでいるが無視する。
『さて、ハンス君そろそろ始めようか』
ハンス達の休憩が終わり、その後日が暮れるまで訓練は続いた。その後ハンスはエイラさんに土下座していた事は内緒だ。




