105.最強とは買い物上手な事だ!
次の日、俺は昼前に起きるとすでに誰も居なかったので飯を食べ宿を出た。
『女将の奴、少し寝坊して飯頼んだだけなのに説教垂れやがって』
俺は道具屋へ入ると新作と書かれている商品を見ていく。
『皮膚が溶ける液は悪戯の域を超えてるな、服が透けるメガネだと!?って全然透けてねぇし、凄い臭い煙玉!素晴らしいな!買いだ!』
『兄ちゃん?地面に叩きつけて壊したメガネも弁償しろよ』
俺は舌打ちしながらインチキメガネの代金を店主に渡し他の商品も見てみる。
『他に良い感じの悪戯グッズ無いの?』
『ここは日用品と魔物とかに使う物しか置いてんだけど悪戯で使うのか?物によるけど下手したら後遺症残るぞ?』
『でもさ、トリートって書いてる商品は対人も意識してる気がするんだよね』
『ん?あぁ、トリートってのは作者の名前だ、変わり者の錬金術師らしいぞ』
『ふぅん、何処に住んでんの?会ってみたい』
『さぁな、取引してる商人は知ってると思うが喋らんと思うぞ』
『会えないのか、じゃあこのトリートって人の作った奴見せてよ』
『良いぞ、少し待っとけ』
店主が戻って来ると机の上に商品を置いていく。
『俺が扱ってるのはこのぐらいだな、あんまり売れないし』
『衝撃を与えると光を放つ球って』
『投げるな!それ試しに使ったら半日ぐらい視界が悪くなったんだよ!』
試しに投げようとしたら怒られた、半日も効くなら使える時もあるだろうと買っておく
『それ扱いには気を付けろよ?暗がりで使ったら失明するかもしれんぞ』
『分かってるよ、返のついた撒菱って天才的だな、これも貰うよ』
『毎度あり!あとは・・・これなんかどうだ?身長が5センチ伸びる靴だ』
『いらねぇよ!センス無いなお前』
『酷くない!?じゃあ兄さんはどうやって買う物決めてんだよ!』
『ノリと勢いだな、買い物なんてそんなもんだよ、そして後で後悔するのも醍醐味だ』
『じゃあ、これならどうだ!無味無臭の腹を壊す薬だ!』
『ほう、やれば出来るじゃないか、買ってやろう』
『やったぜ!次はこれなんかどうだ?』
俺は店主と買い物を続けるのだった。
一方その頃ダンジョンでは
『うおっ!?ちょっとフーコちゃん!無警戒に進むのやめて!』
床から出て来た槍を避けながらハンスはフーコに注意する。
『変態さんはダメダメだなぁ、ラッキーは普通について来れたわよ?』
『俺は普通の人だからアイツと一緒にしないでね?あとフーコちゃんが転移罠踏んだからこんな事になってるんだよ?』
少し前にフーコが転移罠を踏んで助けに行ったハンスはユーリ達とはぐれてしまったのだった。
『変態さんは小せえなぁ、過ぎた事は忘れようぜ?』
『フーコちゃんが死んだらラッキーに殺されるんだけど』
フーコは首を傾げ、そして気付いた、ラッキーはハンスを揶揄っているのだと
『それは大変だねぇ、では行くぞ!』
『話聞いてた!?ちょっと待って!俺が先歩くから!』
そして魔物に襲われながらもユーリ達と合流しようと探索しているとボス部屋の前に到着した。
『ここは何階層なんだよ、まぁここで待ってれば合流出来るから大人しくしてよう』
ハンスは魔物達との戦いで疲弊していたので提案したがフーコは扉を開けてボス部屋に入って行った。
『うわぁぁぁぁん!何なのあの子!?ラッキーより話聞かねぇ!』
ハンスはフーコの後を追いボス部屋に入ると真っ黒なギュウタロウが立っていた。
『ギュウタロウキングってマジかよ!?フーコちゃん逃げるよ!』
『黒毛の牛は美味いから倒して食べましょう!』
『俺達だけじゃキツイって!少しは話聞いてよ!』
フーコはナイフを抜きギュウタロウに突っ込むと攻撃を避けつつあっという間に倒した。
『嘘だろ・・・フーコちゃんって俺より強くない?』
『今頃気付いたの?英雄である私が弱いワケないでしょ』
『ラッキーは雑魚だって言ってたんだけど?』
『あの野郎!いつか追い抜いてボコボコにしてやる!』
『ラッキーのツレが普通な訳ないよなぁ、クリス君も魔力凄かったし』
『私が倒したんだから変態さんがこいつを解体してね!』
ハンスは仕方無くギュウタロウを解体しラッキーから貸して貰った収納袋に入れ奥に進む。
『フーコちゃんだけで攻略出来そうだな』
『楽勝に決まってるでしょ!フハハハハ!ふへっ?』
するとフーコの頭に矢が刺さり倒れる。
『ちょぉぉぉ!?フーコちゃん死なないで!?俺が殺されるから!ヤベェよぉ、どうすりゃいいんだぁ』
『復活!変態さんは何してんの?』
『うえぇぇぇぇぇっ!?何で!?死んでたのに!?』
『私は不死だからね!プククッ!ラッキーに騙されてやんの』
『あの野郎ぉ、帰ったら殴る』
『さっさと行くわよ!きっとユーリちゃん達も先に行ってるわ!』
『はぁ、一応このダンジョンA級なんだけど・・・って聞いてくれないよねぇ』
フーコはハンスを置いてどんどん突き進む、ハンスは溜め息をしながらフーコの後をついて行くのだった。




