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”ASSASSIN”—異能組織暗殺者取締部—  作者: 深園青葉
第4章
74/341

Nowadays

ここから、”ASSASSIN”第4章が始まります!


銀行強盗と、立てこもり事件。別々の場所で起こる別々の事件と、それぞれに巻き込まれるキャラクターたち。是非、お楽しみください!

 暑いのは苦手だと言いながらも、終わりが近づいてくると、夏が恋しくなるのは何故だろう。


 とは言っても、7月はまだ始まったばかりで、夏はまだまだ続くというのに、私は連日の猛暑に、半ばうんざりし始めているところだった。


 しかし、鈴虫の声を聴くと、私は毎年のように、僅かな寂しさを感じる。


 今年の夏も、もう終わりか───と。


 きっと、私はこの夏も、そう思うのだろう。


 そういえば、茉奈が、今年は花火大会に行きたいと言っていた。


 花火大会か。いつ以来、行っていないだろう。


 きっと、茉奈は新しく買ってもらった浴衣を着ていくのかな、と考えたところで、茉奈がやって来た。 


 今日は学校が休みの茉奈は、ここ数日で、すっかり日焼けしてしまっている。連日、外で遊び回っているおかげだろう。


 茉奈は活発で、その元気さに、時折ひやりとするほどだった。だが、そのことで、周りに迷惑をかけることはなく、悪いこともしない。


 茉奈は私の膝に顎を乗せて、上目遣いで私を見た。私が読んでいた本が、気になるようだ。


「茉奈には、まだ難しいよ」


 私は苦笑して、本を閉じた。本当に、この本は大人の私が読んでいても、奥が深く、文章を何度か繰り返し読まないと、理解し難い表現がある。


 茉奈の、少し拗ねた目を見て、私は本を置いた。


「お話の続き、する?」


 そう言うと、茉奈の目は一気に輝いた。


 私は机の上の、青いカバーがかかった本を、手に持つ。


 今年の夏の終わりには、今からする、この話と、茉奈と見た花火を思い出すのだろうな、と思いながら、私はページを捲った。

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