Nowadays
”ASSASSIN”第3章!
波乱の展開が、始まります……!
大人になってから私は、昔からの知り合いに会う時、昔のお互いについて語り合うことが多くあった。
相手の話を聞いていると、「そうだったね」と、自分で可笑しくなって笑ってしまったり、逆に相手に「そうだったの?」と驚かれることもある。
それが楽しくて、懐かしくて、話し始めると止まらなくなってしまう。
私はこの日、彼女に会った。
数ヶ月ぶりに出会った彼女は、良い意味で、あの頃と変わっていなかった。
但し、酒が入ると、いつも彼女は幾分か陽気になって、饒舌になる。
この日、私は彼女に誘われて、昼間の洋食屋へと立ち寄った。
昼食を食べながら、私は彼女を「今日は飲まないのか」とからかった。
彼女は「うるさいなぁ」と私を軽くあしらい、ふと何かを思い出したかのように、窓を見た。
外は今朝からずっと、雨が降り続いている。
梅雨に入ってから、しばらく経つが、町中が憂鬱な空気に包まれているような雰囲気を、私は天気予報を見て、毎朝感じてしまう。
「そういえば」と、彼女が、私を見た。
それから数時間、間で喫茶店に場所を移しながら、私は彼女の話を聞いた。
彼女がしたのは、今と同じ、梅雨の時期に起きた、昔話だった。
私はそれを思い出しながら、目を閉じる。
これを、茉奈に対して、どんな声で、どういう口調で、語ればいいのか───想像しながら、私は眠りに落ちて行った。