19,耳寄りな情報を手に入れよう!
「レーオンくーん。久しぶり! 」
「うーん……」
「こーら、起きろ! レーオンくーん。」
うるさい……
俺は寝る。
俺を面倒事に巻き込むな!
「レーオンくーん! 耳寄りな情報を教えてあげようと思ったのに……」
さっきからうるさいな……
俺は寝るって言ってんだろ、ラズリ!
「あ、ちなみにレオン、この音声メッセージは、レオンが考えそうな事を予想して話してるから、多少ズレがあるかも!」
バッチリ会話(?)が成立してるぞ、ラズリ!
「ほんと? それは良かった!」
ほら!
「で、寝たフリを止めないと耳寄りな情報を教えてあげないよ!」
ったく。
「それで、何だ。耳寄りな情報っていうのは?」
会話が成立してるから、自然と話しかけちゃうんだよなぁ。
「ねーちゃんが、制約一覧を作れってうるさいから……。『制約一覧』って、魔力を声に乗せて言ってごらんよ。制約一覧がレオンにだけ見えるから。」
魔力を、声に乗せる?
魔力って、手から出す物じゃないの?
「あっ! それ、固定概念っていう奴だね。頭が堅いじゃないの? っていうか、君の前世で『言霊』ってあったじゃん? そんな感じ。」
ウザい……
まあ良い。
魔力を声に乗せる……。
言霊……
でも、別に意図して言霊になる訳でもないし……
「アッホじゃないの? そんなのパッパーとやって、パーっとすれば出来るでしょ!?」
いや、できねーよ。
何だよその説明。
パッパーとやって、パー
そんなんで、分かるかよ!
「プー。」
プーっじゃねえよ。
「まあ良いわ。あと、伝える事は……あっ! 『ラズリ』って、声に魔力を乗せて言ってみて! どうなるかは、言ってみてからの、お楽しみ! バイバイ!」
・・・・・・。
ほんと、嵐の様に連絡してきて、嵐の様にプチンと連絡を切る奴だな。
次の投稿は、8月26日です。