67,森に行きましょう
『レオン〜装備を脱いで! あと、剣には絶対に触れないで! 説明は後でするから、速くね』
ノーレ……それはどういうこと……?
え、装備を装着しないと……?
「おい、お前……鎧を着て、何の反応もないな。適合すれば光り、適合しなければ潰される筈なんだが……?」
ほら、俺も含めて、鍛冶職人さん達も困惑してんじゃん。
理由を説明してよ。
『カクカクシカジカ』
ふむふむ、俺にはまだこの装備は早いと。
でも、裏を返せば、鍛錬すれば剣の方は装備出来るようになると。
じゃあ、剣の方は預かってもらおう!……鎧は……まあ、なんとかなるでしょ。
「し、失礼しました!」
バンッ
あの後、鍛冶職人さん達に、ノーレから聞いたことを説明したら、真っ赤な顔をして怒鳴られた。ついでに、俺の首元を掴んで店の外に放り投げやがった。あ、ちゃんと帰り、退出、追払い……締め出し……(ま、いっか)の挨拶はしたよ!
二度とあの店には入れてもらえなさそう……剣と鎧、どうしよう?
適当にギルド直営の店で剣と防具を買う。
この一週間、意味あったのかな?
まあ、そんなことを思いつつ、森に足を進める。
ちなみに、今向かっているのは、王都から出て直ぐの森だ。
森に溜まっている魔素が少なく、強い魔物はいないが、その分、貴重な薬草などはない。
lowリスクhighリターンなどと言うものは、この世に存在しないのだ。
ジャリ ジャリ
俺の足音が森に響く。
鳥の鳴き声、誰かの足音が聞こえる。
冒険者マニュアルは、ノーレに内容を読み込ませいているから、わざわざ薬草を見比べて薬草が本物かどうかを調べる必要もない。
あ、ノーレにマニュアルを読み込ませてたら、情報量が多過ぎて、フリーズしてたなぁ。
ノーレの、
『え、マジ!? これ全部覚えるの?!』
っていう叫びが最後に聞こえたような気がする……きっと気のせいだ……多分。
木の陰に隠れるようにして生えている薬草を摘んでいく。
もし、間違った物を摘みそうになったら、ノーレが教えてくれるシステムだ。
ポヨン ポヨヨン ポンポヨヨン
そんな音が聞こえたから、振り返ってみれば、スライムがこちらを向いて、ニヘラ…と笑っていた。
スライムって、笑えるんだ……というツッコミは置いておいて、さっき買った剣を構える。
スライムは、目の前にいるのが、子供だと気付いて、笑顔(?)にバカにした雰囲気を足した顔で嘲笑ってきた。
ニヘラ…が、ヘラヘラ…に変わったような感じ?
なんかちょっとムカついたから、地面を思いっきり蹴る。
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