番外編10 レオンのとある一日
短めです。
裏庭から、剣を振るう音が聞こえる。
「1、2、3、4、5、6、7、8、9、500! 1、2、3……」
それと同時に、数をカウントする声も。
「ふぅー。朝のノルマ達成」
気が抜けたレオンの声が聞こえる。
朝の剣の素振りは、レオンの日課の一つだ。
本人曰く、この後の朝風呂の時間が、毎日の楽しみらしい。
「♪お風呂、お風呂〜」
朝食が終わった後。
レオンは、彼の父や、母。メイドや執事達から講義を受ける。
本来なら家庭教師を雇うのだが……まあ、そこは『エルメント家だから!』で済まされる。
何においても、普通の貴族家とは違うのだ。
それから、昼食までは自由時間だ。
しかし、努力家のレオンが遊んでいる筈がなく……
案の定、魔素を制御する練習をしていた。
「ムムム……」
結構器用さが必要なんだよ、これ。
イメージ的には、何の仕掛けもしていない、ニワトリのたまごを机の上に立たせるような感じ。
段々とイライラしてくる。
それから、エルメント邸の敷地内を10周する。
エルメント邸の敷地は、めちゃめちゃ広い。
でも、エルメント騎士団の人達が重い鎧を着けた状況で20週しているのを見ると、自然とやる気が出る。
たまーにエルメント騎士団の人達に差し入れもしている。1年を通して殆どを魔物討伐や、強化合宿、街のパトロールにあてているので、エルメント邸の訓練場にいることは少ないんだけどね。
昼食を食べて、父さんから稽古を受ける。今はまだ簡単な技しかできないけど、練習すれば上達し、様々な技ができるようになるとか……頑張る!
夕方になると、また自由時間。この間は、母さんに出された宿題をしたり、ちょっと一息吐いたりする。
それから魔法行使の練習をして、夕食だ。
その後は、トランプをしたり、色々な事をしてから寝る。俺は早寝早起きなのである。
体感、21時寝、5時起き。
俺は健康な身体を目指すのだ。




