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真夜中の会話

※3才児注意報

夜もだいぶ深まった頃、アイナがぐっすりと眠るなか、そのすぐ上の部屋では、天使族の王ケイがベッドに腰掛け、ある人物を待っていた。


キィ

扉を開ける音が響く。暗闇から、少女がでてきた。


「お父さん」

ケイの娘、アンジェラだ。

「アンジェラ、くると思っていたよ」

ケイの瞳が優しく細められる。


「お父さん」

アンジェラが真剣な声で言う。

「なんだい?」

ケイが優しく問う。

「お父さん」

アンジェラが真剣に……

「なんだい?」

ケイが優しく……

「お父さん」

アンジェラが……

「なんだい?」

ケイが……


「そのキャラなに?ついに頭逝った?」

アンジェラが哀れみと呆れの視線をむけながら言った。心なしか、部屋の温度が下がっている。


「酷いな。優しくするのは当たり前じゃないか。第一印象は大事だろう」

「その第一印象も明日には死ぬわ!このドS!いつもは変態思考隠すだけなのに今日のは何!?凄い優しげだし、僕って、僕って!まじ鳥肌たったよ!てか私の前でいつまでもその性格でいるな!早くやめろ!このドS変態野郎!」


アンジェラがいつもより低い声で、息つぎせずに言った。ケイはニヤニヤしながら聞いている。言っておくがこの二人は親子だ。


「お父さん~」

アンジェラがいちだんと低い声で言った。


「分かった分かった、それで、本題は?」

ケイはすぐにニヤニヤ顔を引っ込めて、真剣な声で聞いた。


「はぁ。アイナのことだけど。みた?」

「あぁ、もちろん。面白いのを拾ってきたな」

「面白いって……。それで、どうする?」

「別に、記憶が戻るまでは何も分からないし、普通にここにおいとけばいいだろ。加護の方はあいつの自由だ」

「だよね~。何もできないよね~」

「そうだ。分かったらもう寝ろ」

「はぁい」


アンジェラは部屋に戻っていった。


「あ、お父さんの本性は確りアイナに言っとくからね」


最後にいらない一言を残して。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ふぅ」

誰もいない部屋で、ケイは1人息をつく。


「貴族のご令嬢に、アリアナの加護。これは面白くなりそうだ」


ケイの声は、誰にも聞かれることなく、暗闇に溶けていった。







―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――







同じ頃、多人族が多く暮らす国の1つ、エスペラン王国のある場所に、二組の夫婦がいた。


「……うっ、うぅ……。ア、アイナァ……うー」

「メイ。少し落ち着こう」

「…うっ、うん」

メイという女性をその夫であるレオが慰めている。


「やはり見つからないか」

「本当に、どこにいってしまったのでしょう」

そう言ったのは、ヒロという男と、その妻のリリィ。


コンコン

「父上」

「ヘンリーか。入れ。何か分かったか?」

「はい。調べたところ、気配は確かにあり、どうやら常にゆっくりと移動しているようです。ですが、その場所周辺に行ってみても、まったく姿が見つからず、調査は難航しております。」

「そうか。…ご苦労様」


部屋に入ってきたのは、ヒロとリリィの息子、ヘンリーである。ちなみに立派な3才児。どうしたらこんな3才児ができるのか……。


「こんな時間だ。ヘンリーは戻って寝なさい」

ヒロは滅多に見せない優しげな笑顔でそう言った。

「はい。失礼します」

ヘンリーは部屋から出ていった。


「雲上島、調べてみるか」

ヒロは、そう小さな声で呟いた。



~ヘンリーSide~


誰もいない暗い廊下を足早に歩いていく。


「テレンス」


私がそういうと、私の周りが急激に色褪せていき、一瞬の後、その色褪せた世界で異様な存在感を放つ鮮やかな緑色が視界に入った。一瞬の出来事。気が付けば、そんなことなどなかったかのように周りには色が戻っていた。

しかし、証拠として私の目の前には男がいる。

夏の森を連想させる深い緑色の長髪に、海のように輝く青い瞳。父上とよく似た中性的な顔立ちをした男が宙にういていた。


「どうした、ヘンリー」

男―テレンスが楽しげに言う。


「アイナは、雲上島にいると思うんだ。テレンスは、何か知らない?」

「さぁ?どうだろうな?」

私の問いかけに、テレンスはニヤニヤと笑うだけで答えない。


「つまり、話せないんだね」

「はぁ。お前、相変わらずつまんないな」

「それはどうもありがとう。ほめてくれてうれしいよ」

「はぁ」


テレンスはだいたいの事は分かる。しかし、分かっていてもむやみに話せない事も多い。そういう時、いつもこうやってからかうが、私をからかうなど無理なのだから、いい加減やめればいいのに。


「ひとつだけ言っといてやる」

そう、テレンスが言ってきた。


「お前が探さなくても、お前が王太子としてやるべきことをやってれば、そうだな……あと5、6年たてばアイナに会えるぞ」

「5、6年か」


それなら、闇雲に探すよりも5、6年でできることをやった方がいいかな。


「ありがとう。戻っていいよ」

「そうか。じゃ、またな」

そういい、テレンスは戻っていった。あの色褪せた世界に。




書かないっていったのに書いた。テストまで2週間なのに書いた。なんとなく書きたくなった。

うん、なんかすいません。

にしても、3才児が怖い。きっと、この世界は子供の発達が地球より早いんです。そう、これが普通。きっと。たぶん。

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