プロローグ
「ーーーーーーーーーー」
ドサッ
静寂の中、一人の少女が膝をついた。
「ーーー!」
すぐに、少年がそばに駆け寄る。
「これで、良かったの?………こんなんじゃ、こんなんじゃ、ーー失格だよ!!」
少女が悲痛な顔で叫ぶ。
「………ーーー。」
少年は、名前を呼んだきり何も言えない。
あたりにまた、静寂が満ちる。
「まだだ」
静かで、冷静な声が響いた。
その場にいた全員が顔をあげる。
「あの二人はまだ死んでいない。200年程経ったら蘇るだろう。それに………、まだ復讐も諦めていない」
その言葉に、安堵と悲しみと罪悪感、そんな感情が全員の心に生まれる。
そんななか、少女が静かに立ち上がった。
「それなら、200年後、今度こそあの二人を止める。私達が出来なくても、私達がふさわしいと思った子達なら、きっと出来る。自分勝手かもしれない。それでも、私はあの二人を止めたい。助けたいの。…みんな、お願い」
その言葉には、強い決意が感じられた。
「当たり前だよ。みんな、思ってることは同じなんだ。断るわけがない」
少年が、小さく笑ってそう言った。その言葉に、全員頷く。
「みんな、ありがとう。それじゃあ、200年後に、今度こそは必ず、二人を助けよう」
この時、戦いが終わり。
そして、始まった。
「あなた達ををそのままになんか絶対にしないから」
「二人とも、待っててね」
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「え?」
「ーーー、どうかしたのかい?」
父親が幼い娘に問いかける。
娘はそれに笑顔で首をふった。
「うんん。声が聞こえた気がしたけど、気のせいだったみたい」
「そうか。向こうに面白そうなものがある。行ってみようか」
「うん!」
親子は人混みの中にきえていった。この二人はまだ、なにも知らない。これからのことも。過去のことも。幼い少女の運命も……。
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『ふふふ。さぁて、今度はどんなショーを見せてくれるのかしらぁ。せいぜい、私を楽しませてちょうだいねぇ』
運命の糸は、時に絡み合い、時に離れ、未来に向かってのびていく。そのいきつく先は、はたして………。
シリアス、かな?
次話からはシリアス0。むしろふざけまくるかも(笑)