表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

愛の形

作者: 猟犬

 私は今日、元彼の葬式に出ている。

 不幸な事故だったそうだ。自転車に乗っている最中、急に飛び出して来た子猫を避けて、道路に倒れてしまったらしい。


 私は元彼の綺麗になった顔を見て実感する。



 ああ、本当に死んでしまったのだ、と。



 しかし、いくら彼の顔を見ても、膝から崩れ落ちている親族を見ても、私から涙が出る事は無かった。


 私は彼を愛していなかったのか?


 いや、そんなはずはない。


 私は彼を愛していた筈だ。


 私から告白し、了承された時は感極まって泣きもした。


 日常を謳歌し、プレゼントも送りあった。


 そして、振られた時は、一晩中泣いた…。


 泣いて、泣いて、泣いて……


 それでも足りずに泣き続けた。


 昔はこんなに泣いていたのに、今は死んだ彼を見ても泣く事はない。




 そして、泣き噦る彼の現在の彼女を見て理解する。




 振られたあの日、私の中で彼は「大切な人」ではなく、「他人」に成り下がった。


 そして、私の中で彼は死んでしまった。


 だから私は泣いたのだ。


 何度も、何度も。


 いや、「死んでしまった」のではない。


 私が「殺してしまった」のだ。




 ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。


 あなたを愛していたのに泣けなくてごめんなさい。


 あなたを愛していたのに「殺してしまって」ごめんなさい。


 あなたを愛していたのに「他人」にしてしまってごめんなさい。


 泣くだけが、愛の形じゃない事は分かっている。


 それでも私は泣くことが正しいと思っている。






 私は彼の前で涙も流さず、ただひたすらに謝ることしか出来なかった。









思いついたので書きました。猟犬です。

このような作品は今後、書く予定はありませんが、短編自体はちょくちょく上げていくつもりなので、見かけたら、覗いてくれれば幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ