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夫の記憶喪失

作者: 白目

 夫が倒れた。




 私が職場で働いていると、突然スマホに電話がか

かってきて、そう伝えられた。




 言わんこっちゃない。




 夫は妻という立場を除いてから見ても、優しい。そして、自己犠牲の塊である。それ故、職場でよく頼られ、無償で残業を進んでやったりなど、元々体が強くないのにもかかわらず無茶をやったりする。




 …その事で私が惚れてしまったのは言うまでもない。




 まぁよく無茶をしていたので私はよく注意してたのだ。そうした結果、夫は前よりかは無茶をしなくなったりしていたのだが…結局、今回は無茶をしてしまったようだ。




 しかし妻としては愛しい夫が倒れたとなればそりゃ急いで病院に向かいましたとも。…途中でなんで急いで会社を飛び出したか伝えてないのを思い出して、夫と仕事による心配で胃が痛くなってしまった。















「はる!!!」




 病室に着き、夫を呼ぶ。ちなみに名前は春男である。呼ばれたのに気づいたのか夫はこちらを向き、若干驚いたままの顔で、





「知り合いの方か、家族だったら、すみません。…どうやら僕は記憶喪失みたいです」




 時間が止まったような感じがした。夫が放った衝撃発言。物凄く、ビックリした。






















 そして、何よりも、夫が私を見る目が、怖かった。別に夫は険しい顔をしてる訳じゃないし、いつもの、皆に向ける優しい顔をしていた。




 だからこそだった。いつも夫が私を見るときは満面の笑みで、物凄く嬉しそうな顔をしているのだ。今夫が私に向けているのは皆にいつも見せる顔。今まで向けられていた視線が急に変わって怖かったのだ。そして、何よりも夫と、私がやってきた、作ってきた思い出を否定されているようで、とても…とても悲しくなった。





「あの…、ほんとにすみません。僕がこんなことになった為にそんな悲しい顔をさせてしまって」




「あっ!いえ!あなたのせいじゃありません!」




 顔に出てたのだろう。私は急いでそれを誤魔化す。…ほんとに悲しかったのだから、嘘なんて付けない。




「あ、それと。私、あなたの…妻です」




「…え?ちょ、え?ほ、ほんと!?」




「ほんとですとも…ぷっ、ふふ」




 つい、彼の反応が楽しくなってしまい笑ってしまった。



「そうだったんですか…て言うか笑わないでよ。名前呼ばれたから親しいかと思っていたけど、まさか妻だったなんて…」



「だって、あなたが私に、て、丁寧な言葉で話すのって久しぶりだから!」




「一応記憶喪失なんですから誰が誰なのかわからないので丁寧に話してるたけですよ!」




 そして、私達は笑いあった。




「て言うかよく妻って唐突に言われたのに信じたね?」




「そこは勘と雰囲気かなー。嘘ついてなさそう」




 そこからは夫が一方的に質問してきた。私の名前や、記憶がなくなる前の自分のことや、もう妻なのは分かるけど、どこら辺が好みだったのかなど。恥ずかしい事まで聞いてきてちょっとビックリした。恥ずかしいなら言わなくていいと言われたけど、結局夫にぶちまけた。とても、楽しい時間だった。























 原因は疲労で倒れたときに頭を打ってしまった為らしい。ともかく記憶喪失は二日で元に戻り、夫は記憶を失っている間のことは記憶にないらしい。と言うか恥ずかしいこともぶちまけたので、良かったのか、悪かったのか…。





 だけど、私は夫が記憶を失っている間のことはきっと忘れない。夫は、私にこう言ってくれた。




『僕は勘が働かなかったり、雰囲気で気づかなかったり、君が妻って言ってなかったりしていても、僕はたぶん君の隣にいたと思うよ。君の雰囲気と、短時間しか話してないけど君の性格が好きって思ったし』









 将来、もっと仲良くなっていたら、私にこんなことを言っていたと弄ってやろうと思う。

うっ、3000文字以上すら書けない…。みんなどうやって書いてるんだ。

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