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 午前十二時四十分。テストの終了を知らせる鐘が鳴った。それは同時に、ここ二週間のテストへの戦いを締めくくる鐘の音でもある。疲れを吐き出すように、みんな背伸びや深呼吸をしている。


 高校二年生における重大行事、修学旅行が終わったのが二週間前。そこから怒涛の勢いで僕たちを襲ってきた期末考査に臨んでいた。クラスのみんなも、表情に疲れをにじませている。だけど、そんな中で「これからが本番」と、声を上げた人がいた。


「すみません。この後、ちょっと時間貰ってもいいですか」


 と、まだ試験終わりの解放感の残る教室でみんなに召集をかけたのは、このクラスの文化委員。青葉裕人。


「まだ二か月も先の話なんだけど、先に決めときたいことがいろいろあるのでよろしくお願いします。あ、昼ごはん食べながらでもいいから」


 話が始まるのは十二時かららしい。あと十分ぐらい時間がある。


「夕士、出るの? 」

「僕は出るよ。部活もゆっくり行ってもいいし。天馬てんましゅんはどうする? 」

「俺も部活一時半スタートだから出れる」

「おれも出れるよ」


 天馬と俊は、僕の幼馴染。家も近い小学校子からの付き合いだ。天馬はバスケ部。俊は弓道部に入ってる。ちなみに僕は書道部。どうしても女子のほうが多くなっちゃう部活ではあるけど、同じクラスの長谷部聡介はせべそうすけって友達と肩身が狭いなりに楽しんでいる。僕は持ってきたお弁当を取り出して食べ始める。俊と天馬も同様だ。さっき終わったテストの話や、世間話をして、お弁当の中身がそろそろ無くなる。っというころ裕人が教壇に立った。


「えっと、それじゃはじめさせてもらいまーす」


 どうやら話しが始まるらしい。僕は最後の一口を食べ終えて、弁当箱を片付ける。周りを見ると、好きな友達と隣になって聞こうとするもの、まだお弁当を食べながら聞くもの。様々だ。だけど、空いている席は一つもないし、みんな裕人のほうに注目してる。これは、このクラスのいいとこだと思う。


「それじゃあ、まず基本的なところから説明します。


 みんな知ってると思うけど、うちの文化祭は一年が展示。二年がステージでの出し物に決まってます。それで、今日のうちにみんなに考えていてほしいのは、この出し物で何をするか。規則的には、何やってもいいです。たとえは、劇でもいいし、ミュージカルをしてもいいし、合唱とか、もっと言ったらバンドやってもいいです。あ、ご存じのとおり今年も有志バンドはちゃんとあるからね」

 みんなが頷く。それにつられて僕も頷く。


「で、突然だけどさぁ。なんかいい意見ある人いる? 」



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