神の庭・3
一応、完結させたい。
不意に部屋の扉が開いた。
振り返ると黒リリス髪の女が立っている。
リリスじゃないか、何の用だい。
「臨時召集です。というか今朝から何度も電話をしたのですが、ガン無視ですか?」
え?
そうなの? てっきり原稿の催促かと思ってさ。
「カイン様とレメク様が久しぶりに帰られたのです。その報告会を予定しておったのですが、エノク様が余りに遅いので皆様遊び始めてしまって・・」
???
待て待て、レメクはともかくカインが帰って来た?
彼が帰還するのはまだ先のはずだろう?
「その辺りの事情は直接神に御聞き下さい。とにかく久しぶりの休暇という事でお二人ともはっちゃけてしまって・・・。最初はカイン様が永遠に錆びない鉄柱やらやたらデカイ鉄球なんかを作っておられたのですが、同席されていたセツ様も乗ってこられたせいで収拾がつかなくなってしまったんです」
確かにその組み合わせはマズイけど、誰も止めなかったのかな? 少なくとも神も同席されていたんだよね?
「それが御方が一番盛り上がってしまっていて・・。出かける前に会議室を覗いた時には、山の様な大きさの烏賊やら何でも吸い込んでしまう真っ黒い星やらを作って爆笑してましたよ・・。」
あ~、何か嫌な予感がするな
そう言えば、最近の原稿の依頼内容が妙に片寄っている気がしてたけど、まさかな……
でもなぁ、カインが帰って来たってのが気になるし
「とりあえず四の五の言わずに来ていただけますか?」
やばい、リリスさんも大分ストレスが溜まっていらっしゃる。
ま、原稿の催促でなければ別に行っても問題ないか。
確認だけど、その話し合いに私が出席すれば良いんだね?
原稿要らないんだよね?
「ええ、原稿云々は言っておられませんでした。詳しい話は分かりませんが、何か重大な決断を御方がなされたらしいのです。本日はそれを皆さまに伝達するための呼び出しではないかと。」
重大な……決断だって?
らしいって事はその辺は誰かから聞いたんだね、誰の話だい?
「セツ様からです。エノク様があんまりにも電話に出ないので、御方に"エノク様は今日もサボリです、いくら呼び出しても出ません。もういい加減クビにしたらどうでしょうか?"と言いに行こうとした所、この話をしていただきました。それで嫌々ながら直接迎えに参った次第です」
私に対する君の評価が若干気になるけど、セツの話なら確かだろうね、しかし御方の重大な決断か……
分かった、今から行こう。
なんだか嫌な予感しかしないけど、ね