王座を賭けた戦場へ
読んでいただきありがとうございます。
第8話から、
いよいよ物語のメイン舞台
モンスター王トーナメント編が始まります。
ここまでの洞窟・森での経験は、
すべてこの戦場に立つための準備でした。
強者しか立てない場所で、
最弱から始まった主人公が
どこまで通用するのか。
ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
その場所は、森でも洞窟でもなかった。
大地をくり抜いたような、巨大な円形闘技場。
石でも金属でもない、魔力で固められた壁が空まで伸びている。
そして――
「……多すぎだろ」
俺――ヴォルグは、思わず呆然とした。
観客席。
そこを埋め尽くすのは、すべてモンスターだ。
翼を持つ者。
骸骨のまま歩く者。
人型、獣型、粘体、異形。
洞窟や森で“強い”と感じていた存在ですら、
ここでは普通に見える。
(これが……モンスター界)
空気が、重い。
殺気と期待と、純粋な興奮が混じっている。
その中心、闘技場の上空に、
巨大な魔法陣が展開された。
《宣言する》
声は、直接頭に響いた。
《百年に一度の大闘争》
《モンスター王トーナメントを、ここに開始する》
一斉に、咆哮。
地鳴りのような歓声が、闘技場を揺らす。
《参加条件を満たした個体は、総勢三百二十》
《勝者は一体》
《敗者は、退場または捕食を許可する》
――物騒すぎる。
「つまり……負けたら終わり、か」
だが、周囲を見渡せば、
そんなルールを歓迎している顔ばかりだ。
それが、この世界の“祭り”。
《ルールは単純》
《一対一》
《降参なし》
《戦闘不能、または死亡で決着》
簡潔で、残酷で、わかりやすい。
俺の足元に、光の円が浮かび上がる。
《第一予選、対戦相手を指定する》
心臓がないはずなのに、
鼓動のようなものを感じた。
「……来るな」
光が、弾ける。
第一予選
ヴォルグ vs 未確認個体
相手が、現れた。
筋肉の塊のような体。
四本腕。
頭部には仮面のような骨。
(重戦士タイプ……)
観客席から、ざわめき。
《粘体かよ》
《潰されて終わりだな》
聞こえてくる嘲笑。
だが――
俺は、静かに構える。
洞窟を越え、
森を越え、
名を得て、
ライバルと刃を交えた。
ここまで来て、
臆する理由はない。
「……やっとだ」
ここは、
弱者が逃げる場所じゃない。
強者が、喰われる場所だ。
闘技場に、鐘が鳴り響く。
――モンスター王トーナメント、第一戦。
最弱から始まった捕食者は、
ついにこの舞台に立った。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
ついにトーナメント開幕です。
・全種族参戦
・負け=即退場
・捕食も許可された危険な舞台
ここからは、
一話ごとに生死が決まる戦いが続きます。
次回は
ヴォルグのトーナメント初戦を、
ガッツリ描写する予定です。
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とても励みになります。
それでは、次話でまたお会いしましょう。




