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『最弱モンスターに転生した俺、トーナメントで強敵を喰い続けたらいつの間にか王になっていた』  作者: パーカー


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3/23

最弱モンスター、初進化する

読んでいただきありがとうございます。

第3話は、

**本作最初の「ガッツリ進化回」**です。

ようやく主人公が

「最弱モンスター」から一段階、

別の存在へと踏み出します。

ここまでは生存重視でしたが、

ここから少しずつ

「戦える側」の視点が混ざっていきます。

進化描写を楽しんでいただけたら嬉しいです。

それでは、本編へどうぞ。

洞窟の奥。

湿った岩に囲まれた狭い空間で、俺はじっと身を潜めていた。

体の中が、熱い。

いや、正確には――ざわついている。

「……なんだ、これ」

さっきから、捕食した魔力が体内で渦を巻いている感覚があった。

膨張するような、引き裂かれるような、落ち着かない違和感。

脳内に、あの無機質な声が響く。

《捕食エネルギーが一定量に達しました》

《進化条件を確認》

《――進化を開始します》

「ちょ、待っ……」

止める間もなかった。

次の瞬間。

視界が、白に染まった。

体が――

崩れる。

ぐにゃり、と形を失い、内側から引き延ばされる感覚。

痛みはない。だが、不快感は凄まじい。

「っ……!」

声にならない叫びが、意識の中で弾ける。

体の一部が溶け、再構成され、また壊れる。

何度も、何度も。

粘体だった俺の体に、芯のようなものが生まれ始めていた。

(……骨? いや、違う)

硬い。

だが、生きている。

体表が波打ち、透明だった色が、徐々に濃くなっていく。

濁った灰色から、鈍い黒色へ。

《進化中……》

《耐久性上昇》

《形状安定度上昇》

「は、はは……本気だな……」

自分が何か別の存在に作り替えられていくのが、嫌でもわかる。

体積が増す。

動かしていないのに、勝手に広がっていく。

そして――

ずしん。

重さを、初めて感じた。

「……重い?」

それは、今までの俺にはなかった感覚だ。

“形”がある。

“質量”がある。

やがて白い光が引き、視界が戻る。

岩壁に映った自分の姿を見て、言葉を失った。

――丸くない。

――不安定でもない。

粘体は保っているが、外側は半固体化し、

中心部には黒い核のようなものが浮かんでいる。

「……俺?」

その瞬間、情報が流れ込んできた。

種族:下位捕食体(スライム亜種)

HP:22

攻撃力:6

防御力:3

スキル:捕食/形状操作(小)

「……防御力、ある」

思わず呟いた。

ゼロじゃない。

“触れたら死ぬ存在”じゃなくなった。

体を動かすと、以前とは比べものにならないほど安定している。

床に広がらない。

自分の意思で、形を保てる。

「これが……進化……」

そのとき。

洞窟の奥から、あの牙の長いネズミ型モンスターが現れた。

以前なら、即逃げ一択の相手。

だが――

「……試すか」

俺は、ゆっくりと体を前に出した。

ネズミが威嚇の声を上げ、突進してくる。

だが今回は。

ぶつかった瞬間、弾いた。

「――効いてない?」

逆に、相手の牙が欠ける。

一瞬の硬直。

その隙を逃さず、俺は体を広げ――包み込んだ。

《捕食成功》

《進化エネルギーを吸収》

「……はは」

笑ってしまった。

勝った。

逃げずに、正面から。

最弱だった頃とは、世界の見え方が違う。

「まだ下位……でも」

確実に、前に進んでいる。

この調子で喰い続ければ、

もっと硬く、もっと強く、もっと大きくなれる。

洞窟の闇は、まだ深い。

強敵も、数え切れないほどいるだろう。

それでも――

「もう、喰われる側じゃない」

最弱モンスターは、

確実に“捕食者”へと変わり始めていた。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

ついに初進化です。

・防御力ゼロ卒業

・スキル獲得

・正面から勝てる相手が出現

と、世界の難易度が一段階下がりました。

とはいえ、

まだまだ下位モンスター。

洞窟の外に出れば、即格上だらけです。

次回は

洞窟内での立場の変化や、

さらに強い存在との遭遇を描いていく予定です。

感想・評価・ブックマークをいただけると、

本当に励みになります。

それでは、第4話でまたお会いしましょう。

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