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第7話:黒龍の咆哮、西部の崩壊


西部部隊上空―― 転移術式が展開され、空間が裂ける。 魔力の渦が収束し、ギルが姿を現した。


だが、着地した瞬間、彼は言葉を失った。


「……これは……」


眼下に広がるのは、地獄だった。 地上を埋め尽くすのは炎と咆哮。 200体を超えるドラゴンが空を覆い、兵士たちを蹂躙している。 空を舞う炎の翼、地を揺るがす咆哮、そして――その中心にいるのは、黒龍。


伝説に語られる“災厄の龍”。 かつて王国を滅ぼしたとされる存在が、今まさに暴れていた。


ギルは拳を握りしめ、歯を食いしばる。 彼の脳裏に、3日前の魔導通信がよみがえる。



魔導水晶が淡く光を放ち、アヴィリス魔王の姿が浮かび上がる。 漆黒のローブに身を包み、鋭い瞳を持つ男――だが、口調は妙に軽い。


アヴィリス「領地は渡せないでやんす」


ギル「……なんだと? 約束したではないか。最大解放したら領地の半分を渡すと」


アヴィリス「事情が変わったでやんす」


ギル「……さきほどからなんだその“でやんす”ってのは」


アヴィリス「いろいろあるでやんす! とにかく無理なものは無理!」


ギル「なら力づくで奪いに行くぞ。貴様の軍の4倍の兵力だぞ!!」


アヴィリス「やれるもんならやってみろでやんす。 うちのバックには――とんでもないお方が3人いるでやんす!」


通信はそこで途切れた。 ギルはその場で魔導水晶を握り潰し、静かに呟いた。


「……なら、戦争だ」



ギル「おい」


副官「はい」


ギル「俺は……3万の軍隊、すべてを失ったのか」


副官「……どうやらそのような事態になっているようで……」


ギル「クソがあああああああああああ!!」


副官「ひぃっ」


ギル「最大解放!!!!」


ギルの魔力が爆発し、肉体が巨大化する。 空が震え、黒龍すら一瞬、動きを止めた。 その瞳が、ギルを見据えている。


ギルの背に、魔王紋章が浮かび上がる。 彼の怒りは、魔力の奔流となって空を裂いた。


マジックBOX内


アイ「超魔導反応、ギルです。ギル魔王が最大解放しました」


タク「おい、アヴィリス」


アヴィリス「はい、なんでやんすか」


タク「魔王同士でタイマン張ってこい」


アヴィリス「……はい……でやんす」


ラノ「自信ないのか? ギルは今、完全にキレてるぞ」


アヴィリス「……」


リューク「やばかったらなんとかするから、行け」


アヴィリス「はいでやんす……」


アヴィリス魔王が転移し、ギルと同様に巨大化。 西部の空に、二柱の魔王が対峙する。



ギル「貴様の“事情”とやら、今ここで叩き潰してやる」


アヴィリス「やれるもんならやってみろでやんす……!」


空が割れ、魔王同士の拳がぶつかる。 衝撃波が周囲のドラゴンを吹き飛ばし、地上に巨大なクレーターが生まれる。


ギル「3万だぞ3万!!聞いてないぞ 《マギ・デウス》とか!」


アヴィリス「だから言ったでやんすよ!バックがすごいって!」


ギル「……兵力0だぞ0!どうすんだよ!」ギルの目に涙。


アヴィリス「お前も眷属になるでやんすよ」


ギル「……お前眷属なのか?誰の?」


アヴィリス「ゴブリン・デウスのタク様でやんすよ!!」



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