第2話ー君は...ー
こんにちは。
第2作目なので作品が独り歩きしてゆくことに苦労しながら我ながら頑張っております...w
暖かい目で見て頂けると嬉しいです。
「落下少女と喫茶会議」ー第2話ー
どうぞお楽しみください。
君は.....
「あ……?人間……?」
「えっ……?」
私は目を見開いた。
半分だけ欠けた視界に映るのは――
紛れもなく、“兎”だった。
「人間なんて珍しいな。まあいい、今助けるぞ!」
兎は、私の足に絡んだツルを、
小さな口で少しずつ噛みちぎっていく。
困惑と戸惑いで、私は何も言葉を返せなかった。
「ったく、狐のやつ……。人間が来たなら早く言えっての。ケガでもしたらどうすんだ....」
兎がぼそりと呟いた。
「……君は、」
「んぁ?」
小さな体で、もふもふと必死に噛み続ける兎。
その愛らしい姿に、私は思わず言葉を失った。
「……その、なんで喋れるの?さっきの狐も……」
唇が震えて、うまく声が出ない。
「ここは“心の森”だ。驚くのも無理はない。
ここは――“そういう場所”なんだよ。」
兎はツルを噛み終えると、私を見上げてそう言った。
狐も、兎も、何を言っているのかさっぱりわからない。
「“そういう場所”って、どういう……!」
私が問い返そうとした瞬間。
兎の耳がぴくりと動く。
――チリン……チリン……
「……っ、鈴の音!まずい、狐が……! くそっ、とにかく俺ン家に来い!あとで説明する!」
兎は私の靴紐を引っ張るようにして走り出した。
私は何が何だかわからないまま、
ただ、兎の後を追うしかなかった。
⸻
「あらら、逃げられてしまいましたか……」
艶やかな声が響く。
「動物たちには“森の中では人間に話しかけない”、“力を貸さない”と。
――わたくし狐が、決めたルール、ちゃんと伝えたはずなんですけどね......」
しなやかに笑いながら、狐は、ひとり呟く。
「まさか、ルールを破るなんて……
可愛らしいこと――♡」
狐は、ゆっくりと笑みを浮かべていた――――――
最後まで拝読頂きありがとうございました。
兎が言いかけた言葉になんの意味があるのか...
少しでも面白いと思っていただけたら幸いです。
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「落下少女と喫茶会議」
これからも何卒、よろしくお願い致します。