第1話ー森へ。ー
「落下少女と喫茶会議」
第1話。
どうぞご覧下さい〜♪
「........は、」
しばらくすると、目が覚めた。
ここは、どこだろう。
見たこともない、不思議な森。
祖母の言葉を、はっ、と思い出した。
「……まさか」と、小さく息を呑む。
光がする方へと無造作に走った。
しばらくすると、何者かが話しかけてきた。
「こんにちは、渚さん。」
ふと背後を見た。
「......狐?」
足元がぼやけていて、よく見えない。
薄い色素の、クリーム色の着物をまとっている。
「ええ、紛うことなき狐ですよ。
ようこそ、心の森へ。」
狐はそう言った瞬間、謎は解けた。
祖母の言っていたものと同じ。
「心の森」だ。
「これは、あなたへの“罰”であり、
“救い”でもあります。
どうぞ、この世界を楽しんでくださいね──
くれぐれも……
死なないように。」
パチンッ──
小さな音と共に、視界の片側がスッと消えた。
片目が、失明したように。
「えっ.........?」
思わず声が漏れた。
訳が分からない。
場所もさっきとは違い、狐も消えている。
それもそうか、これは、罰か。
無理やり言い聞かせるように、
自分の中で解決させた。
「これから、どうしよう.....」
半分だけ見えない視界にため息をつき、
森の中を歩き始めた。
川や木、草の匂い。
雨が降ったのかは知らないが、
地面が少し湿っている。
濡れた草、足をのせる度に
きゅ、きゅっ、と音を立てる。
パキッ.....
「っ、!!」
木を這うツルに引っかかってしまったようで。
視界が狭く、よく見えない。
上手く、抜け出せない。
困っていると、視界の隅からぴょこぴょこと物陰から何者かが出てきた。
「おい!大丈夫かー!」
「......え、?」
動物なのに、人間のような声。
こんな不思議なことって――
最後まで拝読頂き、ありがとうございます!
渚ちゃんはどんな動物と出会ったんだろう...
少しでも面白いと思って頂けたら、
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※ この作品は第7回、ルネッサンス新人賞応募予定のため、一部調整する可能性があります。ご了承ください。