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事後報告

 親睦も深め終わったところでオリーと揃ってギルドに向かう事にしたヴィーア達。


「ところでオリーちゃん」

「なんですか?」

「なんか無理して敬語で喋ってるだろ、別にそう言うのいらんぞ」

「いやでも、ヴィーアさん歳上だし命の恩人だし…」

「だがもう知らない仲じゃないだろう、それに昨日はぐっふっふ隅々まで身体を見合いっこしたじゃないか。それに俺は自然体で接するのが楽で良い」

「もうえっちなんだから、じゃあ友達と話すみたいにするね。それか彼氏みたいに…」

「おいヴィーア、やっと出てきよったか」


オリーがゴニョゴニョしているとファーティーが出てくる。


「あん?なんでデブがこんな所にいるんだ」

「なんでって、ギルドの前やぞここ」


 周りを見渡すと確かにギルドの前にいた。話しながら歩いていたらいつの間にか到着していたようだ。


「3日ぶりやなオリービア・ミサンガ…まぁええから入れ。報告は中で受けたるわ」

「おう五回はヤったぞ」

「そんな事後報告はええねん」


 事の顛末を話し始める。グリコ遺跡に隠し通路があったこと、中の魔物は初心者ではとても太刀打ち出来ないこと。切断鬼と言う中級クラスのダンジョンエネミーが出てパーティーが壊滅した事…


「…隠し通路に切断鬼か、仲間を置いて逃げるとは見下げたやつらやけどそこは緊急避難が適用されるからのう」

「もっともその後生きて出られたかは分からんがな」

「見つけたらここに連れてきてくれや」

「嫌だめんどい」

「あのなぁ…まぁええ、ほら今回の報酬や」

テーブルの上に小袋が出されるとヴィーアはそれを引ったくる様に奪い中を確認する

「ひぃふぅみぃ…たったこれだけかよ」


 銀貨6枚。安い剣が一本買えるかといったところだ。


「俺のポケットマネーやからな、贅沢しなきゃ一週間は生きられるやろ。あとお前がもろもろ滞納しとる金の返済で差っ引いとるんや装備紛失代、消耗品共済費、事務手数料あとそれから」

「あーもういい、分かった分かった!」

「ほいで、オリービアはこれからどないしたい?こないな経験した奴っちゅうのはそのままやめてまうのも多い。なんにも恥ずかしい事やない、死にかけたんやからな。冒険者になってまだ日も浅いから退職金はいくらも出せへんが…すまんのぉ」


オリーは考える。


「私、ヴィーアとパーティー組みたい!」

「へ?俺と?」

「うん、いいでしょ?それとも弱いからダメ?」

「うーん強さはどうでもいい、別に構わんが俺は自由にするぞ。夜だって行きたいとこに行く」


 ヴィーアは特定の誰かと付き合う事(パーティー含む)に非常に向いていない、堂々と浮気する宣言をするし他のパーティーの娘と仲良しするせいでトラブルだって絶えない。そのくせ逆に浮気されると怒りだす性格だ。


「そんな都合のいいバカ女おるわけないやろ」

「いいわ!要は私に夢中にさせればいいんでしょ、ラクショーよ!」

「おったわ」

「そーか、ならしばらく近くにおいてやる」

「やった、絶対私以外見えなくしちゃうんだから!」


オリーがヴィーアにウィンクする。


「話がまとまったならやってもらいたい仕事があるんや、ちょうど若い男女ペアのパーティーでな参加者のふりしてある貴族舞踏会の警備をしてもらいたいっちゅー訳や」

「自分の私兵でなんとかすればいいじゃないか、そんな恨み買ってるのか?」

「演奏音に釣られて空の魔物が来るのを警戒して欲しいんやと、会場にフルプレート兵士置いとくのも優雅じゃないやと」

「まぁうまいもん食えそうだしやってやる、タッパ持っていって沢山持って帰るぞ!」

「わかったわ!」

「みっともない真似するなや」


オリーとの初仕事が決まった。











ファーティーギルドは常に人手不足、優秀な人材はいつも出払っています。

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