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玉座で味わう風情

 最後に死の恐怖に直面したのはどれくらい前だっただろうか。

人と魔族が争っていた頃の人間は、戦時下なのもあり皆が皆レベルが高く、誰もが強かった。

それでも人の魂の動きが活発だったのでリスクを承知で姿を現し魂を荒稼ぎした物だがなんとか戦って生き延びた。

それが終戦に伴い徐々に弱く脆弱になっていき最早この時代には殆ど脅威は無いと思っていたのに、まさに今あの時と同じ命の危険を感じている。


「ええいちょこまかと!こらー!!飛ぶんじゃねぇ降りてきやがれ!!!」


ヴィーアは苛ついた様に足を床に打ち付ける。


(なんだ、なんなのだこの人間は。昔戦ったどの人間よりも強い…)


 悪魔は焦った。上空に逃げてみたが先ほど剣に斬られた傷が深く長く飛ぶことが出来ない。

仕方なしに別室に用意していたなれはての軍団を呼び寄せて見たもののあの女ですら強く、ろくに傷も付けられない状態だ。


「こんなことなら先に中級悪魔を召喚しておくべきでした、はい…」

「ヴィーア!私の身体が軽くて強くて変な感ジ!」

「そうだろうそうだろう、俺のお陰だからな!」


 とりあえずヴィーアの攻撃は届くまいと悪魔がカルミティに余所見をしていた瞬間、ヴィーアは剣を投げた。


「なっ!」

(ありえない!他に武器も無さそうなのにメイン武器を投げてきただと!?)


 剣は大腿に深く突き刺さり、聖なる炎が肉焼き悪魔は空で体勢を維持できなくなり落下した。


「カル、油全部寄越せ!味付けしてやるコウモリトカゲ野郎!おらおらおら!!!」

「最後の一本だからナァ!」

「うわっぷ、やめなさい!一体どういう戦闘センスしているんですか貴方はぐえええええええ!」


ヴィーアは倒れた悪魔に聖水をかけ、油を撒き、塩をまぶせた。

悪魔の全身から煙があがり、肉が腐り落ちる。


「いい加減に…しやがれ!」

「うわ汚ねぇ!」


悪魔の口から毒々しい液体が吐き出されるとたまらずヴィーアは下がる。


「下手に出てりゃいい気になりやがって…骨まで腐らせてウジにたからせてやる!」


 紳士的だった声は聞きづらい野太い声に変わり煙を上げていた身体が異様に盛り上がったかと思えば腐り落ちた肉が再生し、細かった腕が3倍近く大きくなり硬くなった羽は背中に畳まれた。


「ほーそれがてめえの本性か、分かりやすくていいじゃねぇか」


抜け落ちた直刀を拾い直すと悪魔に向ける。


「もうここも飽きた、さっさとくたばりやがれ!」

「大人しく話に乗っていれば苦しまず死ねたものを…死ぬのはお前だ!」


 お互いが走り出し剣と爪が鍔迫り合う、初撃は体格差でヴィーアが少しずつ押されるが完全に修復されなかった肉体の影響かだんだんとヴィーアが盛り返す。


「どっりゃああ!衝撃斬!!」


 爪を跳ね上げ、胴体を蹴りつけるとスキルを放つ。

「ぐあああ!」


胸が大きく斬り裂かれるがまだ倒れる様子はない。

悪魔が気合いを入れるために吠えると、手から魔力弾を撃って来たので横に走り回避し、途中直撃しそうになった弾を斬り弾く。


「これでどうだ!?」


悪魔が僅かな溜めモーションの後粘液ブレスを吐く。


「チッ、鬱陶しい奴だ!」


 ヴィーアに当たらず床に落ちたブレスが床を変色させ腐敗して穴が空き始める。


「イヤァァ何か汚いの飛んできてル!」


 遠くから悲鳴が聞こえたが無視して悪魔に詰め寄り斬り合う。

ヴィーア優勢で壁際までもうすぐと言うところまで追い詰めたが空いた穴に足を取られてしまう。


「あ、やべ」


バランスを崩し尻餅を付く。


「呆気ない終わりだな人間!」

「バカ言え座ったままでも勝てんだよ!」

「そうか、では死ね!」

「ヴィーア!」


 悪魔は立ち上がる隙を与えず爪を振り下ろす。

カルが爪が当たる寸前に退魔の首飾りを投げつけ悪魔の顔に当たると眩い光が溢れ、首飾りが砕け散る。


「なんだ忌々しい!」

「今だ!くったばれえぇぇぇ!」


 座ったままだが渾身の力を込めて直刀を胸に突き刺した。

聖なる炎を纏った剣がおびただしい量の悪魔の血で浴びて鎮火していく。


「何故だ…何故人間ごときに勝てない…」

「はん、悪魔ごときが俺に勝てる訳ねぇだろうが」


ヴィーアは立ち上がり尻の埃を払うと悪魔を蹴り倒し、見下ろす。


「…」


悪魔の瞳から力が消えていくと、身体が崩れ去り塵と化し、刺さっていた直刀が支えを失って床に転がった。


「ヴィーアアアァァ!!」

「おわっと」


カルが勢いよく飛び込んで来てたたらを踏むが何とか耐えた。


「すっげえ本当に勝っちまうなんてナァ!流石私が見込んだヤツ!!」


 頭をぐりぐり押し付けてくるカルの尻尾が揺れており嬉しい感じが伝わってくるがヴィーアの視線はその大きな胸に釘付けだ。


「さてカルミティよ」

「んぁ?どしタ?」

「分かっていると思うが俺はひっじょーに疲れた!」

「おお、オツカレ?」

「お前が遊んでいる間に精霊も見つけて脱出の準備も整えた」

「へ、へぇすげぇナァ…」


 カルはなんだか嫌な予感がしてきて後ずさるが、その腕を掴み、もう片腕で器用にズボンを下ろした。


「だから今すぐ約束を果たせ!」


ぼろん。


「う、ウワァァァそんなもん出すナァァ!」

「さぁこっちだ、おぉ丁度いいところに椅子があるな」


ヴィーアは玉座にどっかり座る。


「さぁ約束通り胸でして貰おう、嫌とは言わせんぞ!」

「うぅぅぅぅ…」


 自分で言った手前拒否も出来ず、そして先程までの戦闘の昂りで再び発情スイッチが入りかける。


「ここじゃなくても良いじゃんかぁ、汗かいてるしせめて水浴びしてからにしようよ、ネ!」

「ダメだー!玉座でヤることにおもむきがあるんだ!!」


ヴィーアは大きなお胸で楽しんだ。


「はぁーえがった…」

「うぅ、自分だけスッキリしやがってェ…」


カルは恨みがましい目を向けるが、それを察したヴィーアは更に表情を緩ませる。


「心配するな、カルもちゃんとスッキリさせてやる」

「ちょ、どこに連れて行くんダ!」


 玉座から立ち上がると悪魔が置いていった鏡の前まで移動する。

鏡にはヴィーア達が映っておらず、なれはて達が虚ろな表情でヴィーア達を見ている。


「おいまさカ」

「鏡の前ヤる体位と言ったらこれだー!」

「ばっかオマエ!あぁん!」


 整理を発動させ手早くカルを脱がせ、背面立位の姿勢を取るとなれはて達に見せびらかす様に第二ラウンドを始めた。


「あわわわ…」


 牢屋の結界が解かれ出てきたフィルギーはヴィーアに会いに玉座の間に向かったものの、ヴィーアがお楽しみだったので出るに出られずドアの隙間から終わるまで見ていた。

二枚スチルが回収出来るタイプのイベント

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