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そう言えば俺武器ねぇんだわ

 「おめぇ、暇やろうからちょっと遺跡行って初心者パーティー拾ってきてくれ。2日連絡がない」

 

 金が無くなったから久々にギルドに顔を出した瞬間ギルドマスターのファーティーがこちらに顔を向けてそんな事を言っている。


「誰と話しているデブ俺を挟んで会話するな」


ヴィーアは後ろを確認した。


「おめぇに言っとるんや!他に暇そうにしてる奴おらんやろうが!」

「何故俺がそんな事しなきゃならん、いいから仕事を寄越せ。サクッと終わって大金が入る奴だぞ」

「んなもんあったら俺がやっとるよ」


ファーティーはため息をついて、


「ええからオフィスに来い金はだす」


 安物なんだがそれなりに見えるイミテーション調度品、瓶だけは高級酒だが中身は安酒が飾られている棚、ギリギリ革が破れていないソファー、中の下ギルドなりに見栄を張ったオフィスだ。

部屋に入ったファーティーは自分の机の下をがさごそしている。


「待ってろ、この辺に初心者パーティーの資料がある」


ヴィーアは棚を漁って勝手に酒を飲み始めた。


「まっず、ウィスキーの瓶にビールいれんな炭酸が抜けて飲めたもんじゃねぇ」


ぺっぺっ

遠慮なく床に唾を吐く。


「おまっ…はぁ、ええからこれ見ろ」


 8枚の資料が胸に押し当てられたから渋々受け取り嫌な顔を隠そうともせず見るヴィーア。

資料の顔写真が男だった瞬間なにも見ず床に捨て行くが…


「おぉ、かわいい子いるじゃねぇか!」


(なんでこいつクビにしないんやろうな俺…腕だけはええんやけど)


 急にテンションがぶち上がるヴィーアを見て何度目か分からないため息をついたファーティーは自分のウィスキーを飲んでもう一度深いため息をつく。


「とにかく、グリコ遺跡に向かって連れて帰ってきてくれ。場所は分かるやろ」

「死んでる男は捨ててくからな、馬車を段取っとけよー」


 はなしも聞かずに部屋を出ていこうとするヴィーアにファーティーは


「待てや、おめぇも準備もあるだろうから30分後に表に来い…ってお前いつもの剣はどないしたんや?鎧もあらへんし」


 そう訪ねられたヴィーアはいつも剣をぶら下げている箇所を見て、腕を組んで考える。


 「うーん…おぉ!昨日金が無くて女が抱けなかったから装備売り払ったんだった!てことで何か寄越せ」

「叩き殺したろかこいつ」

 

 今からでも別の人間に行かせようかと本気で考えるファーティーだった。


~30分後~


「チッ、しけたもん寄越しやがってじゃがいも喉につまらせちまえ」


 歯こぼれした1本の剣のみ渡されたヴィーアは馬車に揺られながら遺跡に向かうのであった。

ちなみに健全なのでエ○シーンはございません

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