探索者の日常
初めて書いたので駄文で申し訳ないのだけど、こういうのが長編で読みたいので文才がある人は書いてください。
メリアは汗を拭いながら、荒れた遺跡の中を歩いていた。足元には古びた機械の破片や、錆びついた部品が散らばっている。探索者として生計を立てている以上、こうした場所に足を踏み入れ、見つけた資源を回収するのは日常だ。しかし、今日は少し違った。金銭的に厳しく、もう少しで生活費が尽きる。だからこそ、こんな場所でわずかな資源でも拾うしかなかった。
「シャフトだけ外して詰めればまだ入るかなぁ…」
小さな呟きが、静寂の中に響く。彼女の身長は149cm。同業者から「S級探索者」という不名誉なあだ名をつけられる程度には小柄であり、努力でS級になれる才能を持たない事を自覚できる程度には大人である。
それでも揶揄われて大人しく引き下がれないのは子供というべきか。
(見返してやる)
そんな思いが、彼女を遺跡の奥へと誘った。廃墟と化した巨大な建物の内部、壊れた機械の中にひっそりと残された「遺物」。メリアの目が輝く。たったひとつ、規則的な明滅を続ける機械。それはロストテクノロジーの痕跡。彼女の腕が震える。これを持ち帰れば、しばらくは生活が安定するだろう。
だが、喜びも束の間。突然、地面が震えた。何かが近づいてくる。
「まさか…」
焦りながらも、メリアは速やかに立ち上がり、辺りの影に身を隠した。魔獣。遺跡の近くにはしばしば現れる。それに見つかれば、生きて帰るのも難しい。
足音が近づき、心臓の鼓動が早くなる。小さな体を縮め、物陰に身を潜めるメリアは、魔獣の足元で息を呑んだ。影がすぐ目の前を通り過ぎる。冷や汗が背中を伝うが、どうにか見逃されたようだ。
しばらくして、魔獣の姿が遠ざかったのを確認したメリアは、息をついて立ち上がる。しかし、その瞬間、抱えていた遺物の一部が落ちて、地面に音を立てて転がった。魔獣がすぐに振り返る。
「いや、お願い…」
メリアは散らばった遺物もそのままに、ただ必死に物陰に身を隠し続けた。幸い、その隠れ場所が魔獣に見つかることはなかったが、存在を主張するように明滅する遺物は激しい音と共にあっという間に破壊されてしまった。
長い間、息を殺し、魔獣が去るのを待った後、メリアはそっと立ち上がり、遺跡を後にした。空はすでに暗く、冷たい風が吹き始めていた。彼女は何も手に入れられなかった。
家に戻る道すがら、メリアは街の掲示板に目を留めた。そこには広報から迷い猫の捜索依頼まで貼られている。
「もう少し、どうにかならないかな。」
小柄な体に苦しみ、毎月必死に遺跡を探索し続ける。そうして生きていくのがどれほどつらいことか、メリアにはわかっていた。
それでも、彼女は一歩を踏み出す。街の喧騒の中へ。ただ生きるために歩み続ける。
馴染みの居酒屋が目に留まる。メリアは掲示板の求人を思い出し、いつもよりゆっくりと扉を開けた。
雑設定
過去にいろいろあって荒廃した。魔獣はその時の産物。
魔法も超能力もない。携行可能なサイズの武器での戦闘は絶望的。
探索者は基本的には高給取りだが死亡率が高い職の為、大抵は月に1~2回程度探索しては充電期間に入る人が多い。
メリアちゃんは20歳で149cm。自称150cm台。あだ名の「S級」は元はバックパックの小ささをを指していたがメリアちゃんが毎回「150はあるからっ(半ギレ」と答えていた為に、身長を指すようになった。
決して胸のサイズは関係していない。