表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/26

5話:猫に名前は必要であるのか?


 猫が入院生活を終え、吾輩の家に再度戻ってからというもの、近所のおばはんが定期的に訪問してくるようになった。


 もちろん、吾輩の心配は皆無である。猫は元気か? 体調は崩していないか? そんな感じで猫を心配して来るようになったのだ。


 元々、人付き合いは得意では無く、関わろうともしなかった。しかし、猫がいることにより、こうも人との輪が自然と構築されるのは不思議な感覚を覚えさせるものである。


 今日は手土産だと称して、何故だか知らぬが、黄色い鈴の着いた赤い紐をくれた。これは何に使うのか、重要なことは何一つ教えてはくれなかったが、十中八九体につけておけということだろう。


 一先ず、邪魔にならなそうな尻尾にでも括りつけておいたが、音が煩わしいのか、はたまた尻尾に違和感を感じるのか、ずっと鈴を気にしてじゃれあっている。


 まあ、玩具で遊んでいるようなものであろう。あまり気に留めず、好きなようにさせてやれば良いのである。


 そういえば、おばはんが猫に名前を付けぬのか? と言っていたが、猫は猫で良いのではなかろうか? 吾輩のようなおっさんが、下手に名など与えても良いものなのだろうか?


 一先ず、名前を考えようとしてみたが、何も思いつかぬ。ミケやポチ、太郎などで良いのだろうか? そもそもこの猫は雌なのか雄なのか。それすらも何も分からぬ。


 猫に、名前は何が良いかと問うても、ミャオ〜、ミャオ〜! と言うだけで、吾輩には猫が何を言いたいのかも分からぬ。


 参った、参った。


 まあ名など、ゆっくりと考えていけば良かろう。取り敢えず、おばはんに言われた通り猫のご飯とやらでもでも用意してやろう。そう思い、吾輩は外着に着替え、家を後にした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ