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3話:猫に人間の飲む牛乳は御法度である。

 翌日、事件が起こったのである。猫が、猫が! 忽然と姿を消したのだ。


 そして妙に臭い。糞のような臭いが家中に充満し、鼻が曲がりそうである。


 もしやあやつは本当に妖の類だったのではなかろうか? 吾輩は鼻をつまみながらも状況を見定めた。


 家中の畳が何故か茶色く変色している。これはあの猫の仕業で間違いなかろう。状況を察するに、魚の切り身に当たったのか、それとも牛乳に当たったのか。いやもしかすれば、拾い食いをしてそれに当たったのやも知れぬ。


 参った、参った。


 いやはや、まだ猫が家に来てから一日も経っておらぬというのに、これほどまでに吾輩を翻弄するとは、あの猫やはりただの猫ではないのかもしれぬ。


 それはさておき、早々に猫を探し、猫好きと噂が耐えぬ近所のおばはんにでも尋ねてみるとするか。


 だがしかし、あのおばはんはどうもいけ好かぬ。が、まあ背に腹はかえられぬ。


 猫や〜、猫や〜。そう声を発し猫を探していると、どうやら下痢で体力を奪われてしまったらしい。台所の隅で体を丸め、必死に暖を取ろうとしておるように見受けられる。しかし、体は冷え切り虫の息。


 これは参った。まこと、非常に参った。


 吾輩はすぐさま猫をタオルで包み、近所のおばはんの元へかけ急いだ。


 おばはんは、朝早くからの来訪にかなり立腹な様子だったが、猫の様態を見て余計に怒らせてしまったようだ。


 鬼婆の如き形相にて、吾輩を叱る、叱る。そしてすぐさま、“動物病院”とやらへ急いだ。その間、話をしっかり聞いていれば、吾輩に落ち度があるのがよく伺える。


 ここはしっかりと怒られておくとしよう。男たるもの、状況を見定めるのも仕事のひとつである。


 

次回の「わが猫(吾輩、猫を拾ってまいった)」は──


4話: 「猫は時に人を選ぶものなのである。」


5話: 「猫に名前は必要であるのか?」


6話: 「猫のご飯はこれほどまでに種類があるのであるか!?」


 の三本立てでお送りするのである! 吾輩が、猫に翻弄され続ける回であるが故、見苦しいかもしれぬが、次回も楽しみに待つのであるぞ!



※次回更新は、10月20日を予定しております※



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