後悔
「森で商人が襲われているんです助けてください!」
「森に今まで見たことのない生物が現れてあばれておる!」
国王には戦友との再会を喜ぶ暇がなかった。
「分かった直ぐに森に傭兵を向かわせよう。お前達、森に商人を襲っている犯人が出現した可能性が高い!急行せよ!実は、お前を呼んだのは此のことだったのだ、こういうのは、あまり国民に知られたくないからな」
「だが今は悠長に話している暇は無い」
「そうだな我々も向かおう」
此の時の俺達は国を観光することも夕飯の素材を買うことも忘れ、一刻も早く森に戻ることしか考えていなかった。
現場に着いた3人は見るも無残な光景を目の当たりにする
「何だ‥‥‥これは‥‥‥」
其処には先程の粉々になった荷車に加え幾つかの恐らく人であった物が転がっており、
森の中に血の海が出来ていた。
それを見た1人の男が膝から崩れ落ちる。
「おじさん!」
「私は何ということを‥‥‥やはり息子ではなく私が相手をしていれば‥‥‥!」
「おじさん!しっかりしろ!まだ殺られたって決まった訳じゃないじゃないか!」
「そうだ、其の子の言う通りだ。付近を捜索しよう、しかし、まだ元凶が潜んで居るかもしれない慎重に動くぞ...」
天国か地獄か、将又その両方か。
「誰か居るぞ!」
3人の目に木に凭れ掛かっている人影が映る。
近づくと其れは商人だった。目立った傷は無く先程の物とは決定的な違いがあった。
「まだ息があるぞ!息子のことを何か知っているのかもしれん!おい!大丈夫か!しっかりしろ! おい!」
すると、ゆっくりと目開け話し出した。
「あなたは先程の‥‥‥」
「あの後、何があったのか教えてくれないか!」
「私は空から何か降って来た後、如何やら此処まで飛ばされ気絶したようです。1度、目を覚ました時、影は荷車で何かを探していました。其処を私が雇った護衛が襲い掛かったのですが為す術が無く‥‥‥その後、貴方と共に居た青年が影と戦っていました、そして次に気がついた時は貴方に話しかけられていました」
国王が静かに商人に近づく。